更年期障害に処方される代表的な3つの漢方薬

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害によく使われる代表的な3つの漢方薬についてお伝えします。

前回 当院に来院されている患者さんの40%ほどの方が漢方を飲んでいるとお伝えしました。

しかし、「何を飲まれていますか?」とお聞きすると、「名前はちょっとわからない」とお答えになる方が結構多くいらっしゃいます。

ところが、「何番ですか?」とお聞きするとすんなりとお答えできる方が多いなと感じています。

ご存知の方も多いと思いますが、病院で処方される漢方薬には番号がついています。

これは漢方薬の名前が難しく覚えにくいために、ミスがおこらないように番号管理するようになったといわれています。

またメーカーによって番号が違うとさらに混乱してしまうので、基本的に病院で処方される漢方薬の番号は各社共通となっています。

更年期障害の様々な症状に対しては以下の3つが代表的な漢方薬として処方されています。

①当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん No23)

体力が虚弱で、冷え症、むくみ、貧血傾向、疲れやすい方

②加味逍遥散(かみしょうようさん No24)

体力が中等度以下で、のぼせ感、肩こり、疲れやすい、精神不安、イライラ、不眠などがある方

③桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん No25)

比較的体力があり、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足が冷えるなどの症状のある方

 

「23番・24番・25番は更年期障害」 覚えやすいですね。

 

また、以下の漢方薬も比較的多く処方されています。

☆五積散(ごしゃくさん No63) - 体力中等度で冷えがある

☆温経湯(うんけいとう No106) - 体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわく、不眠など

☆温清飲(うんせいいん No57) - 体力中等度で、皮膚がかさかさして色つやがわるい、のぼせ

 

いずれも同じような症状のようですが、東洋医学の場合はその方の体質や体格、症状の現れ方、生活習慣など考慮し、「証」というものを立てていきます。(鍼灸の場合も同様に証を立てて、使うツボを決めていきます)

「証」とは簡単にいうと西洋医学の「診断」や「初見」ということです。

西洋医学の場合は、診断名が決まれば処方する薬もほぼ決まっていますが東洋医学の場合は同じような症状でも「証」によって漢方薬が変わります。

そして漢方薬はその人にぴったりと合う場合となかなか改善がみられない場合があります。症状の改善がみられない場合も比較的多いため他の漢方薬に変えたりしながら最適の漢方薬を探っていくこともあります。

1週間服用して症状が全く変わらなければ、漢方が合っていない可能性がありますので、遠慮せずにお医者さんに相談してください。

 

そして漢方を処方されたら、「私の証はなんですか?」と聞いてみることをお勧めします。

しっかりと説明してくれたら、東洋医学にも詳しいドクターだとわかりますよ。