更年期障害に処方される代表的な3つの漢方薬

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害によく使われる代表的な3つの漢方薬についてお伝えします。

前回 当院に来院されている患者さんの40%ほどの方が漢方を飲んでいるとお伝えしました。

しかし、「何を飲まれていますか?」とお聞きすると、「名前はちょっとわからない」とお答えになる方が結構多くいらっしゃいます。

ところが、「何番ですか?」とお聞きするとすんなりとお答えできる方が多いなと感じています。

ご存知の方も多いと思いますが、病院で処方される漢方薬には番号がついています。

これは漢方薬の名前が難しく覚えにくいために、ミスがおこらないように番号管理するようになったといわれています。

またメーカーによって番号が違うとさらに混乱してしまうので、基本的に病院で処方される漢方薬の番号は各社共通となっています。

更年期障害の様々な症状に対しては以下の3つが代表的な漢方薬として処方されています。

①当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん No23)

体力が虚弱で、冷え症、むくみ、貧血傾向、疲れやすい方

②加味逍遥散(かみしょうようさん No24)

体力が中等度以下で、のぼせ感、肩こり、疲れやすい、精神不安、イライラ、不眠などがある方

③桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん No25)

比較的体力があり、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足が冷えるなどの症状のある方

 

「23番・24番・25番は更年期障害」 覚えやすいですね。

 

また、以下の漢方薬も比較的多く処方されています。

☆五積散(ごしゃくさん No63) - 体力中等度で冷えがある

☆温経湯(うんけいとう No106) - 体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわく、不眠など

☆温清飲(うんせいいん No57) - 体力中等度で、皮膚がかさかさして色つやがわるい、のぼせ

 

いずれも同じような症状のようですが、東洋医学の場合はその方の体質や体格、症状の現れ方、生活習慣など考慮し、「証」というものを立てていきます。(鍼灸の場合も同様に証を立てて、使うツボを決めていきます)

「証」とは簡単にいうと西洋医学の「診断」や「初見」ということです。

西洋医学の場合は、診断名が決まれば処方する薬もほぼ決まっていますが東洋医学の場合は同じような症状でも「証」によって漢方薬が変わります。

そして漢方薬はその人にぴったりと合う場合となかなか改善がみられない場合があります。症状の改善がみられない場合も比較的多いため他の漢方薬に変えたりしながら最適の漢方薬を探っていくこともあります。

1週間服用して症状が全く変わらなければ、漢方が合っていない可能性がありますので、遠慮せずにお医者さんに相談してください。

 

そして漢方を処方されたら、「私の証はなんですか?」と聞いてみることをお勧めします。

しっかりと説明してくれたら、東洋医学にも詳しいドクターだとわかりますよ。

 

 

 

 

更年期障害と漢方

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害と漢方の治療についてお伝えします。

当院にご来院頂いている患者さんは30代後半~50代前半のいわゆる“ゆらぎ期の女性”が多いのですが、その中のおよそ40%くらいの方が漢方を服用されています。

そして、その割合は自分のイメージよりもはるかに多いと感じています。

 

お聞きすると

・最初はHRT(ホルモン補充療法)をやっていたが、吐き気や食欲不振などの副作用がきつかったのでやめて漢方にかえてもらった

・婦人科医から漢方をすすめられた

・HRTは直接ホルモンを補充するので身体にとって不自然なイメージがあり漢方を選んだ

などのお答えを頂きました。

 

漢方はからだにやさしく、おだやかに効いていくようなイメージがあると思いますが実際のところはどうでしょうか?

<漢方のメリット>

1.誰にでも使える(使ってはいけない人(禁忌))がない

2.使用時期(年齢・月経の有無)に制限がない

3.HRTと併用できる

4.原因がはっきりしない様々な症状(不定愁訴)に強い

5.HRTに比べると副作用が少ない(ゼロではありません)

 

<漢方のデメリット>

1.エストロゲンの不足が直接関係している症状(膣の乾燥感・性交痛など)にはあまり効果がない

2.ホットフラッシュの効果はHRTに劣る

3..効果の発現がHRTに比べると穏やかである

 

漢方はHRTに比べ「使いやすい」ことが最も大きな特徴です。

体質に合わせて漢方の種類を選びますので、乳がんや肝機能障害の既往歴があってもよほどのことがないかぎりどんな方でも使えます。

また、HRTとの併用もできることも大きなメリットといえます。

HRTで短期的に症状を軽減し、その後は漢方で体質を改善させていくといった治療も行うことができます。

 

婦人科のドクターは漢方も積極的にお使いになる先生が多く、保険適用の場合が多いですので、色々なお悩みをしっかりと相談しながらあなたにあった最善の治療法を選択していってくださいね。

更年期障害の代表的な3つの治療法

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害の治療法についてお伝えします。

更年期障害の治療法は大きくは3つの方法が主流となっています。

1.ホルモン補充療法(HRT)

2.漢方

3.抗うつ剤・抗不安薬とカウンセリングなど心理療法

HRTは服薬や注射などで直接女性ホルモンを補充していく方法であり、最も即効性があるといわれています。

漢方は女性ホルモンは増えませんが、エストロゲンの減少という身体の変化による自律神経症状を穏やかに緩和していきます。

また、特に抑うつ感や不安感、イライラなど精神的な症状が強い場合には抗うつ薬や抗不安薬、精神安定剤などが処方されます。

それぞれ専門医による診断と治療が行われ、基本的には保険適用となっています。

更年期障害の症状がでやすい期間は閉経の前後5年の計10年間くらいあるので一般的には治療期間は最低でも数年間となります。

最近ではエストロゲンに似た働きをする「エクオール」という成分のサプリメントも多く販売されており治療の選択肢のひとつとなってきています。

それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の希望も含めて専門医とよく相談してどの治療を選ぶかを決めていく必要があります。

 

 

 

次回は「ホルモン補充療法」についてお伝えしていきます。

 

更年期の”冷えのぼせ”

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日も松阪は寒いです・・・

これから寒くなっていきますが、女性のお悩みでも“冷え”は特につらい症状ですよね。

そして更年期世代の女性に多いのが「冷えのぼせ」。

今日は「冷えのぼせ」についてお伝えします。

「冷えのぼせ」とは顔や頭など上半身は熱いのに、足先など下半身は冷えるという症状。

しかしこの「冷えのぼせ」は実は更年期障害の代表的な症状というよりは、20代や30代の女性にも多くある女性特有の症状といえます。

更年期世代の女性になると、「ホットフラッシュ」という症状が出る方が多いためこの「冷えのぼせ」の症状をより強く感じてしまうのかもしれません。

 

では、なぜ冷えとのぼせが同時におこるのでしょうか?

基本的に冷え症がより悪化したもので、身体の血流悪化と女性ホルモンバランスやストレスなどによる自律神経の乱れが大きな要因となります。

「冷えのぼせ」は東洋医学では「上熱下寒」と呼んでいます。

身体を栄養する「気・血」が上半身で滞り、熱を持つことで下半身まで循環しない状態です。

例えばお風呂を追いだきした時に上の方は熱くて、下は温まっていないということがありますが、まさに身体がそんな状態になっているということです。

お風呂の場合だと、そんな時はかき混ぜますよね。

鍼灸治療でも同様に冷えの改善とともに、滞った気血の流れを良くし下半身まで循環させることを主眼においた治療を行っていきます。

そして東洋医学的な更年期障害は基本的に「腎虚(腎の機能が低下している状態)」と考えていますので、「腎」の機能を高めることを積極的に行います。

(「腎」とは腎臓とは少し意味合いが違い、妊娠・月経など生殖機能、身体を温める機能や冷やす機能、、水分代謝の機能を司っています。)

 

また、「冷えのぼせ」はご自宅での日々のセルフケアも重要です。(冷えのぼせに限らずセルフケアは重要ですが・・・)

1.ストレスを発散できる趣味などを持つ

ストレスを溜めると「肝気」という気の流れが滞り全身の気血の流れを悪化させます。なかなか難しいことですがうまくストレスを発散できるようになれるといいですね。

2.できるだけ歩く(ふくらはぎを動かす)

ふくらはぎを動かすことで心臓に戻る血流をよくします。

3.“3つの首”(手首・足首・首)を温める

手首・足首・首を温めることは冷え症に有効です。特に首を温めることで全身の血流改善とともに、副交感神経の働きを高める効果もあります。

4.お灸

下半身のツボへのお灸。日2~3壮、市販のもので十分です)

以前にもご紹介しましたが、特にゆらぎ女子におすすめのツボは以下の2つ。

 

お灸三陰交 ☆三陰交

 内くるぶしのてっぺんから指4本分上。

 “血の巡り”を改善し、生理痛や生理不順など婦人科疾患に  有効です。

 

 

 ☆太谿

 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。

 足先の冷えやむくみなどに有効です。腎経のツボですので  ゆらぎ期の女性の“のぼせ冷え”に効果的です。

 

 

体質を改善していくことはなかなか時間のかかることですが、地道に継続していくことで大きな成果となってあらわれますので、楽しみながら続けてみてくださいね。

 

更年期の”お肌”のこと 

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は寒かったですね。

温熱マットが大好評でした。

ひかり堂は暖かいベッドで患者さんをお迎えしていますので、「冷たいベッドはイヤ!」という方も安心してお越し下さいませ。

 

さて、今日は更年期の“お肌”についてです。

当院の患者さんのお悩みの中でも非常に多いのが“お肌”のこと。

・シャワーを浴びた時、若い頃のように水がはじかない・・・

・乾燥肌になってきたみたいで特に季節の変わり目は脚や背中、腕がカサカサでかゆい

・顔のしわ・しみが増えてきた

・肌がくすんできた

・化粧のりが悪くなってきた・・・等々お話が止まりません。

男性はあまり気にならないことが、女性にとってはものすごく大きな変化で切実に“老い”を感じるんですね。

 

よくお肌の「4大エイジングサイン」(老化の兆候)は

1.しみ

2.しわ・たるみ

3.くすみ

4.乾燥(潤いがない)     といわれています。

 

なぜ更年期の肌は急速に衰えを感じるのでしょうか?

やはりエストロゲンの減少が大きな要因となります。

・肌のはりや弾力・潤いを保つ「コラーゲン・エラスチン」や「皮脂」の減少

・肌が生まれ変わる新陳代謝(ターンオーバー)の悪化

エストロゲンには女性らしい潤いのある”ぷるぷる美肌”を保つ働きがあり、エストロゲンの分泌が急激に減少する更年期は“肌の変化・老化”を感じやすくなるのです。

 

この老化を少しでも遅らせていくにはまずは「規則正しい生活習慣」が最も重要となります。

睡眠不足や過度な飲酒、偏食は見直しましょう。

美肌にとって喫煙なんてもってのほかです!

そして、今まで以上に“エイジングケア”を意識して行うことも重要です。

食事やスキンケア用品の見直し、サプリメント、エステ、ウォーキング、ヨガ・・・

 

そしてそして、実は鍼灸は美肌にも効果があるんです!!

最近は頻繁に芸能人がSNSに投稿したりしていますのでご存知の方も多いと思います。

今は“美容鍼”とか“美顔鍼”という呼び方が一般的ですが、多くの鍼灸師は「健美鍼灸」という考え方をしています。

 文字どおり「健康で美しい鍼灸」という意味です。

 

鍼の最大の特徴は表皮の下にある真皮層に刺激を入れ、極微小な傷をつけることで傷を修復しようとする機能を活用するということです。

傷を修復する働きで血流が改善し、真皮細胞のコラーゲンやエラスチンの生成を促進し肌のターンオーバーを改善させていきます。

 

そしてそれだけでなく、多くの鍼灸院では同時にお腹や背中、手足のツボにも鍼や灸をしていきます。

カラダ全体の「気・血・水」の巡りを良くした状態で顔にも刺激を入れていくのです。

美容鍼 美顔鍼

 

つまり、ただ顔に鍼をするだけでなく、カラダ全体から、カラダの内側から健康で美しくなることの結果として「美肌・美顔」になるという考え方です。

 

顔への鍼はすごく細くて短い鍼を使用しますので、見た目の怖さとは違いほとんど痛みは感じません。

 

当院でも「健美鍼灸」を行っていますので、是非受けてみてくださいね。

そしてカラダの内側から健康で美しくなっていきましょう♪♪

更年期はなぜ太りやすいの? 2つの理由

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は「更年期はなぜ太りやすいのか?」について。

更年期世代の女性で「この1年ですごく太った」、「ダイエットをしても痩せない」というお悩みがすごく多いと感じています。

時々患者さんから「更年期の時期は太りやすいのですか?」と聞かれることがありますが、答えは「はい、太りやすく痩せにくいです」とお答えしています。

芸能界でも若い頃はスリムだった女優さんや歌手が40代中頃くらいから急に太ってしまった方がいますよね。

 

なぜ太りやすいのでしょうか?

<更年期に太りやすい2つの理由>

 

1.エストロゲンの減少

女性ホルモンのエストロゲンには様々な働きがありますが、その働きのひとつに「コレステロールを低く保ち、内臓脂肪をつけにくくする」という働きがあります。

しかし、更年期に差し掛かりエストロゲンの分泌量が減少していくと、今まで皮下脂肪として蓄えられていた脂肪が内臓脂肪として蓄えられるようになってくるのです。

つまりエストロゲンの減少によりコレステロール値が高くなり、内臓脂肪がつきやすくなるというまさに“メタボ体質”になっていくのです。

2.筋肉量の減少・基礎代謝の低下

普段から運動の習慣があまりない方は、年齢を重ねていくと筋肉量が落ちていきます。そして筋肉量の減少と同様に基礎代謝も落ちていきます。(基礎代謝とは呼吸や体温調節などに消費するエネルギーのこと)

つまり消費するエネルギーが少なくなるため、今まで同じような食生活だと必然的にエネルギーの取り過ぎとなってしまうのです。

 

上記のとおり更年期に差し掛かってくると女性のカラダは太りやすい体質になってしまうのです。

これは“不摂生をしているから”とか“あまり体型のことを気にしなくなったから”とかいうことではなく、女性としての自然な変化なのです。

 

鍼灸がコレステロール値や内臓脂肪、基礎代謝に影響を与えるかどうかについては私は知識はありませんが、当院を受診された方で以下のケースがありました。

・コレステロール値が下がった(51歳女性)

・体重が5Kg減った(56歳女性)

おふたりとも特に運動を始めたとか、食生活を見直したなどといった特別なことはしていませんが、共通点は東洋医学で「水毒」や「痰湿」と呼ばれている「身体の水分の流れが悪い状態」にありました。

鍼灸治療によって水分の滞りを解消し“気・血・水”がスムースに流れる状態になっていったことから、体液循環が改善し、老廃物など不要な物質なども体外に排出できるようになり体質自体が良くなったと考えています。

 

鍼灸は思わぬ効果があったりしますので不思議です。

更年期の”生理”について

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期の生理についてお伝えします。

更年期の女性の身体で最も大きな変化が“生理”の変化です。

閉経に向け、生理不順など今までとは違う生理がおこり心にもカラダにも色々な影響がでてきます。

 

閉経とは卵巣機能が低下して生理が完全に止まった状態のことをいいますが閉経の年齢は個人差が大きく早い人は40代前半、遅い方は50代後半で閉経を迎えます。

そして閉経を迎える数年間は生理に関する様々な変化があらわれてきます。

 

1.生理周期の変化

通常25日~38日の周期であれば正常と考えられていますが、今までほぼ一定の周期で来ていた生理が早くなったり(頻発月経)、遅くなったり(稀発月経)を繰り返すことが多くなってきます。

そして数ヶ月に1度という周期になり、やがて閉経を迎えるという方が多いようです。

2.経血量・色の変化

経血の量が多くなったり(過多月経)、少なかったり(過小月経)します。また経血の色も濃い色や薄い色、血塊(レバー状のかたまり)など今までのものとは違うようになることが多くなってきます。

3.1回の生理の期間の変化

1回の生理の期間も出血量が少なく3~4日で早く終わったり、10日以上ダラダラと長く続いたりすることがあったりします。

4.生理痛・PMS(月経前症候群)の増悪

今まであまり気にならなかった生理痛やPMS(月経前症候群)を強く感じるようになってくる方がいます。

更年期の生理の変化は閉経以降の新しいステージに向かうための移行期ですのであせらず、極端に不安にならずに過ごして頂きたいと思っています。

ただ、多量の経血や不正出血(生理以外におこる出血)、あまりにつらい生理痛などは子宮筋腫や子宮内膜症、ガン、甲状腺など他の病気の可能性も考えられますので、少しでも気になることがあれば早めに婦人科を受診してください。

検査で異常がなければ、それだけで安心できますよね。

 

更年期の生理の変化に対しても鍼灸治療は非常に効果が高いと感じています。

当院に通院されているIさん(51歳)は昨年から生理がかなり不順になっており、今年は2月、4月に生理があって以降は生理はありませんでした。

当院に初めて来院されたのが6月下旬で、現在まで月に2回のペースで受診されていますが、8月、9月、10月と3ヶ月連続でほぼ30日周期で生理がきています。また、生理時の血塊もびっくりするくらい減ったそうです。

これは鍼灸治療によって体質自体が改善してきた証しだと思います。

 

鍼灸治療によって分泌量が減っているエストロゲンが増えることはありません。

しかし、卵巣機能の低下による脳(視床下部)からの指令系統の混乱を最小限に抑える効果は高いと考えています。

その効果が自律神経の乱れも整えていくのです。

 

婦人科でHRT(ホルモン補充療法)を受けながら当院に通院されている方もいらっしゃいますが、HRTはできれば止めたいといわれる方が多いです。

薬物などに頼らず、できれば自分自身の力で更年期を過ごしていきたいという想いが強いと感じます。

鍼灸治療は副作用のない安心・安全、そしてご自身の力でカラダを内側から整えていく優しい治療ですので、穏やかに閉経に向かっていきたいとお考えの方は是非鍼灸治療も受けてくださいね。

 

「更年期障害」とは?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今回から更年期障害についてお伝えしていきます。

ブログでも何度もお伝えしていますが、そもそも”更年期”というのは「閉経」を挟んだ前後10年間くらいの期間のことです。

最近では更年期のことを”ゆらぎ期”と呼んだりします。

日本人の平均的な閉経年齢は50.5歳といわれており、45歳~55歳くらいがいわゆる更年期に当ります。

「閉経」は全ての女性に訪れる体の変化であり、その前後にある更年期も誰もが通る避けては通れない道なのです。

 

ではなぜ閉経前後の10年間に心身の不調がおこりやすいのでしょうか?

それは卵巣機能が衰え女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が急激に低下することが大きな要因です。

まず脳の視床下部というところから「性腺刺激ホルモン」が分泌され、その指示によって下垂体というところから卵巣にエストロゲンを分泌するよう指示がでます。

その指示を受け卵巣からエストロゲンが分泌されます。

一方、卵巣機能は30代後半から落ち始め、45歳を過ぎると急激に衰えてきます。

それに伴い、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲン量が急激に減少し、やがて閉経となります。

 

脳の視床下部・下垂体というところからエストロゲンを分泌するよう指令が出るのに、卵巣機能が衰えて指示どおりエストロゲンを分泌できない・・・ → もっと頑張る → 頑張ってもエストロゲンがでない・・・

そこで脳からの指示と卵巣機能の低下というアンバランスによって、脳と身体が混乱しパニック状態になってしまうのです。

 

視床下部は自律神経を司る中枢でもある為、身体のパニックが自律神経のアンバランスまでも引き起こし、ほてりや発汗、動悸、めまい・頭痛・イライラ、不安などといった不調が現れます。

つまり、ホルモンバランスの乱れと自律神経の乱れは、連動して起こりやすいのです。

更年期障害の症状が自律神経失調症の症状と重なるのはそのためなのです。

 

更年期はエストロゲンがない状態に身体が慣れていくための移行期といえます。

 

次回は当院に来院される患者さんのお悩みの1位である”ふわふわめまい”と更年期の関係についてお伝えします。

 

 

“ゆらぎ期の女性”の悩み トップ10

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

昨日来院された患者さんは全員が40代の女性でした。

当院の女性患者さんの比率は87%と圧倒的に女性が多いのですが、その中で“プレ更年期”といわれる時期を含めた「35歳~55歳」のいわゆる「ゆらぎ期の女性」は75%になります。

30代と50代を同じグループとしてとらえるのはどうかと思いますが、「ゆらぎ期の女性」として当院の患者さんの悩みをまとめてみました。

(あくまで当院の患者さんの悩みで、複数回答して頂いています)

<ゆらぎ期の女性の悩み>

1位  ふわふわしためまい・動悸

2位  肩こり・首こり

3位  頭痛

4位  体型のくずれと肌の衰え(太りやすい・痩せにくい・ウエストライン・バスト痩せ・顔のたるみ・しみ・シワ・ハリツヤ・くすみ・化粧のりが悪い等)

5位  精神的な不調(イライラ・気分の落ち込み・不安感・焦燥感)

6位  睡眠障害(寝付きが悪い・何度も目が覚めるなど)

7位  生理不順・生理痛、子宮内膜症などの婦人科疾患

8位  ホットフラッシュ・冷えのぼせ(顔や上半身は熱いのに脚が冷える)

9位  むくみやすい・疲れやすい・疲れがとれない・やる気がでない

10位 目の疲れやかすみ・老眼・体力の衰え

 

あなたはいくつありますか?

意外かもしれませんが、「ふわふわしためまい」を訴える患者さんはものすごく多く、当院では最も多い症状となっています。

しかし、ほとんどの方は5個以上症状があり、全部当てはまるという方もとても多く、何といっても「更年期障害」に対する不安がものすごく強いことが大きな特徴となっています。

治療家として多くに患者さんと接してきて、ゆらぎ期の女性の心とからだは本当にデリケートだと感じています。

 

このゆらぎの時期は女性にとって心とからだの健康面・そして美容という点からも大きな曲がり角にさしかかっており、この時期をいかに上手く過ごしていくかがとても大切だと思います。

次回から多くの女性が不安を抱く「更年期障害」についてお伝えしていきます。

「ゆらぎ女性」を悩ます4つの”○○期”

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は3ヶ月程前から通院して頂いているAさん(47歳・女性)のこと。

頭痛・ふわふわしためまい・不眠(入眠困難)・肩こり・漠然とした不安感・イライラ・ホットフラッシュ・冷え・生理不順・・・・

年齢を考慮するといわゆる「更年期障害」の症状でお悩みでした。

 

きちんとしたペースで鍼灸を中心にした治療を受けて頂き、頭痛やめまい、肩こり、不眠などの症状は軽減し、生理も2ヶ月連続で周期どうりあり体調が良くなってきたと喜んでおられました。

 

しかし、昨日「4日前から体調が最悪です・・・」といわれました。

詳しくお話をお聞きするとご家庭で色々とあったそうです。

子供さんのこと(高2女子・中3女子)、ご主人のこと、お姑さんのこと(少し認知症の症状がでてきている)が一気に重なり、爆発してしまったそうです。

その後不眠やめまい、頭痛、情緒不安定などの症状が急にでてきたのだそうです。

 

以前のブログでもお伝えしましたが、女性が閉経を迎える平均的な年齢は50歳くらい。その前後の10年間(45歳~55歳)を“更年期”、最近では“ゆらぎ期”と呼んでいます。

 

この“ゆらぎ期”は卵巣機能が衰え、エストロゲンの分泌量が急激に低下するので心身ともに不調がでやすい状態になっています。

そこに

・子供の反抗期

・ご主人やパートナーとの倦怠期

・親の介護期

・ご自身の更年期

が重なり症状をより複雑・深刻にしてしまうケースがあります。

 

Aさんはまさにこのど真ん中にいますので、まるでゲリラ豪雨に降られたように「ストレスタンク」が一気に溢れてしまったのです。

 

こんな状況の方が全国にたくさんいらっしゃるのでしょうね・・・

 

でも大丈夫ですよ。

全国各地に鍼灸師がいますから。

施術後Aさんは顔の色艶もよくなり表情も明るくなって、「あぁすっきりした」といってお帰りになりました。

Aさん 頑張り過ぎずに”顔晴りましょうね”

 

先日読んだある雑誌に              

「閉経は、“閉じる”のではなく、次の人生のステージのドアを開くとき」とありました。

素晴らしい言葉ですね。

ストレスが”プレ更年期”を連れてくる?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

前回のブログで、プレ更年期は更年期障害ではなく、自律神経失調症といえるかもしれませんとお伝えしました。

なぜプレ更年期は自律神経失調症なのでしょうか?

自律神経も女性ホルモンも脳から指令がでます。

☆自律神経 - 視床下部から交感神経と副交感神経の伝達物質がでる

☆女性ホルモン - 脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌され卵巣に指示を出す→卵巣から女性ホルモンが分泌される

視床下部と脳下垂体はごく近い場所に位置しているため、自律神経と女性ホルモンはもともとお互いの影響を受けやすいという関係性があります。

 

したがって自律神経が乱れると女性ホルモンも乱れやすい、女性ホルモンが乱れると自律神経も乱れやすいのです。

まるで“ニワトリとたまご”の関係のように・・・

 

そして自律神経や女性ホルモンが乱れる最大の要因はストレス。

仕事や家庭での精神的なストレス、暴飲暴食や運動不足など「食事・運動・睡眠の質の悪さ」など色々な要因でストレスを溜め込んでいくと様々な症状となってあらわれてくるのです。

 

私は患者さんには「ストレスは溜まるのは当たり前」とお話しています。

生活していれば何かしらストレスは感じますし、当然溜まるのです。

重要なのはいかにストレスを抜いていくかではないかと思っています。

 

人にはストレスを溜めておくタンクがあって、それには個人差があります。

100Lもの大きなタンクを持っている人もいるし、10Lしか入らない小さなタンクの方もいます。

そしてその「ストレスタンク」が一杯になって溢れ出た時に様々な症状があらわれてしまうのだと考えています。

ストレスが溜まっても、常に抜いていければタンクは溢れることはありません。

まずはなんといっても規則正しい生活習慣を続け「食事・運動・睡眠」の質を高める意識を持つことは絶対に大切です。

そしてスポーツや映画鑑賞、旅行、温泉、家庭菜園、音楽、女子会・・・どんなことでもいいので、ストレスを発散してリラックスできる何かを持っているといいですね。

 

もうひとつは鍼灸治療。

鍼灸は自律神経(女性ホルモン)を整える力を高める効果に優れています。

以前ブログでお伝えした「ホメオスタシス」という力は、本来あなたが持っている“ストレスタンクを溢れさせない力”が十分に発揮できるようにする治療です。

プレ更年期でお悩みの“アラフォー女子”の方には安心・安全・副作用のない鍼灸治療をお勧めします!

”プレ更年期”って何?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日の松阪は比較的過ごしやすい陽気でした。

暦のうえでは「処暑」。もう暑さはおさまるはずですよね。

 

さて今日は「プレ更年期」についてお伝えします。

当院は40代~50代の女性の患者さんが圧倒的に多かったのですが、最近30代後半の女性の患者さんがすごく増えてきました。

症状は

頭痛・めまい・肩こり・生理痛・生理不順・動悸・ほてりやのぼせ・冷え・不眠・動悸・イライラ・抑うつ感・不安感・倦怠感・・・

色々な症状をたくさん抱えていらっしゃいます。

 

この症状っていわゆる“更年期障害”といわれる症状に似ています。

日本人の平均閉経年齢は50.5歳といわれており、閉経の前後10年間(45歳~55歳)を更年期と呼んでいます。いわゆる更年期障害の症状もこの50歳前後が最も現れやすくなります。

30代で卵巣機能が衰え完全に閉経する「早発閉経」は1%ほどだといわれていますから、基本的には30代で更年期障害の症状があらわれることは非常に少ないはずなのですが、最近は30代後半の“アラフォー女子”に更年期障害のような症状に悩まされる方が増えてきています。

そしてこのアラフォー世代の不調を“プレ更年期”と呼んでいます。

 

なぜ30代後半なのに更年期障害のような症状が現れてくるのでしょうか?

プレ更年期の原因は卵巣機能の急激な老化ではなく、

・穏やかな卵巣機能の低下

・ストレスの蓄積

が大きな要因となっています。

つまりプレ更年期は、更年期障害ではなく、自律神経失調症といえるかもしれません。

確かに当院に来院される30代女性の方の共通点は

・仕事や家庭、対人関係で強いストレスを感じていること

・生理不順や生理痛など生理に関する不調が大きいこと

が挙げられます。

 

更年期を迎える前から更年期障害の症状に悩まされるなんて本当につらいですね。

 

次回はプレ更年期と自律神経の関係についてお伝えします。

”自然治癒力”という力

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

今日も松阪は夕立ちが降りました。

毎日降りますね。これって”スコール”というヤツではないのでしょうか?

もう日本は亜熱帯気候になってしまったようですね・・・

 

さて、今日は”自然治癒力”についてお伝えします。

人間の身体には、ケガをした時や病気にかかったり、かかりそうになった時にそれらを自分に力で治したり、防ごうとしたりする力が備わっています。

その力のことを「“自然治癒力”(自己治癒力)」と呼んでいます。

ウキペディアによると自然治癒力(自己治癒力)とは「人間・動物などの心身全体が生まれながらにして持っている、ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のこと」とあります。

この自然治癒力が備わっていることで、ある程度の病気やケガは自分自身の力で治っていくのです。

 

そしてこの自然治癒力は大きく3つの機能から成り立っています。

☆恒常性を維持する機能(ホメオスタシス)

様々な外部環境の変化に対して自分の体内環境をある一定の範囲に保とうとする機能。自律神経やホルモンのバランスを取ることで体温や血圧や血糖値、体液の浸透圧などを一定の数値内に保ち生命を維持します。

例えば夏の猛暑でも真冬の寒さでも体温はほぼ一定ですよね。

☆自己防衛機能(免疫力・抵抗力)

体外から侵入したウィルスや病原菌や体内で発生したガン細胞などを攻撃して排除し、身体を守る機能。主に白血球がその役割を担っています。

☆自己再生機能

すり傷や切り傷など傷んだ細胞を元の状態に修復する機能。

誰でも経験があると思いますが、ある程度のすり傷や切り傷なら全くわからないくらいに治っていきますよね。

つらい症状が根本的に解消する鍼灸治療はまさのこの自然治癒力を目覚めさせ、再び活動できる状態に戻すことに優れた、副作用のない安心・安全な治療法なのです。

薬を否定するつもりはありませんが、薬はやはり一時的な対症療法ですので、自分自身の中にある自然治癒力を高めていくことは難しいと思います。

病院でMRIやCTなどの検査を受けてもどこも異常ありませんといわれたが頭痛・めまい・不眠・動悸・肩こりなど様々な症状がある・・・そんな方はたくさんいらっしゃいます。

まだ鍼灸治療を受けたことがないのなら、そろそろ鍼灸デビューしてみてはいかがでしょうか?

自律神経失調症はうつ病のはじまり?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は松阪は朝から大雨です。

夕方からは台風が上陸する予報となっていますので、万全の準備をして備えます。

皆さんもくれぐれも注意してくださいね。

 

さて、今日は自律神経失調症とうつ病の関係についてお伝えします。

よく「自律神経失調症はうつ病の始まり」と言われたりすることがありますが、実際にはどんな関係があるのでしょうか?

「自律神経失調症」は頭痛、動悸、めまい、耳鳴り、不眠など主に身体的な症状が目立ち、「うつ病」は「抑うつ」や「意欲の低下」といった精神的な症状が特徴的です。

発症の要因は

○自律神経失調症→過度なストレスによる交感神経と副交感神経のバランスの乱れ

○うつ病→BDNF(脳由来神経栄養因子)が減少し、脳内の神経細胞の新生が抑制されることで、神経細胞から作られるセロトニンやドーパミンなどの「モノアミン」という神経伝達物質の合成・分泌が抑えられてしまうこと

と考えられています。

 

特徴的な症状や発症の要因は違いますが共通する症状も非常に多くあり、全く別物かというとそうではありません。

自律神経の乱れから身体に様々な不調が起こり、自律神経のバランスがますます乱れていくとBDNF(脳由来神経栄養因子)が減少し脳内の神経伝達物質の分泌が不足する可能性は非常に高くなります。

ということは自律神経失調症をきちんと治療せず悪化させてしまうと、うつ病に発展していく可能性も高まるということになります。

 

個人的には、“自律神経失調症はうつ病の始まりというか入口”と考えています。

例えば“風邪”を引いてもすぐに適切な治療や養生をすれば必ず回復しますが、放置してこじらせてしまうと“肺炎”など重い病気になってしまいます。

同様に自律神経失調症もきちんと治療ししっかりと養生すれば必ず回復しますが、放置して悪化させてしまうと“うつ病”になる可能性が高くなるということです。

 

もし2週間以上「このところ何か体調がすぐれないなぁ」と感じているなら、決して放置せずにきちんと対処することを是非心掛けてくださいね。

そんな時に鍼灸はいいですよ。

”更年期うつ”にはオキシトシン!

こんにちは、松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院
“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

昨日東海地方もようやく梅雨明け宣言が出ました。
いよいよ夏本番ですね。
私はこれからしばらくは高校野球を楽しみます。

さて、今日は「更年期うつ」と“幸せホルモン”「オキシトシン」の関係について。

以前ブログで、うつ病の患者さんは男性よりも女性の方が多く、男性の約2倍ほども多いとお伝えしましたが、更年期世代(45歳~55歳くらい)に限ると女性は男性の8倍にもなるといわれています。

更年期の時期はエストロゲンの分泌低下による女性ホルモンバランスの乱れから自律神経が乱れやすくなり、心にもからだにも不調がおこりやすい状態となるとお伝えしました。

そして更年期の時期には、子供の進学や巣立ち、仕事の行き詰まり、夫婦関係、親の介護、将来への不安など様々な問題や悩みがいくつも重なり過度なストレスに感じることもうつ病を発症しやすい要因となることもお伝えしました。

閉経前後の身体や心の変化と自身を取り巻く環境の変化から次第に女性としての自信や誇りを失っていき、うつ症状がやがて本格的なうつ病になっていく・・・
残念ながら、そんなことが多いようです。

この「更年期うつ」に非常に効果があるといわれているのが、「オキシトシン」というホルモンなのです。

「幸せホルモン」や「抱擁ホルモン」、「愛情ホルモン」、「絆ホルモン」、「恋愛ホルモン」などといった多くの別名で呼ばれたりします。

学校では、授乳する際に赤ちゃんがおっぱいを吸うことでオキシトシンの分泌が高まり、母乳の出がよくなる働きをするホルモンと習いました。
しかし、近年ではこのオキシトシンが愛情を深め、母性愛を高め、そして不安や恐怖といった感情を和らげ「多幸感」を感じ精神的な安定をもたらすことがわかってきました。

以前ブログでお伝えしたとおり、オキシトシンの分泌が高まると「セロトニン神経」が活性化され、セロトニンの分泌が高まることもわかってきました。

そして、このオキシトシンを多く分泌させることでつらいうつ症状から劇的に改善した事例が多くあるのです。

では、オキシトシンの分泌を高めるのはどうしたらいいのでしょうか?

それはずばり “スキンシップ”!

愛しい人とのスキンシップや触れ合いによってオキシトシンの分泌が高まるのです。

ただ、残念なことにこの更年期の時期は夫婦関係が冷めていたり、パートナーがいない方も多いでしょう。

でも安心してください!

そんな方にもオキシトシンの分泌を高めることができるのです。

具体的な方法はまた次回。

腸内環境と鍼灸治療

こんにちは、松阪市の「自律神経と女性ホルモンのバランスを整える鍼灸院」

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

ブログの読者さんから「鍼灸治療は腸内環境を整える効果があるのでしょうか?」という質問を頂きました。

鍼灸治療によって腸内環境が整うという科学的な証明(腸内細菌の善玉菌と悪玉菌の割合が治療前と治療後で変化する等の証明)は私の知る限りありません。

しかし、過敏性腸症候群(検査で異常がないにも関らず、ストレスによって下痢や便秘の症状が続く病気で心身症のひとつに分類される)に対して鍼灸治療が有効であるという報告は多くあります。

(鍼灸ニュースより引用)

過敏性腸症候群に鍼灸が効果というデータ

当院でも便秘や下痢に対しての改善例は多くありますので、鍼灸治療は腸内環境を整えていく効果はあると考えています。

 

当院では、便秘や下痢に対しては腸の動きを適正化していくこととストレスを軽減し自律神経のバランスを整えていくことに重点を置いています。

過敏性腸症候群ではありませんが、当院での最近の患者さんの改善事例をご紹介します。

<Aさん(42歳 女性)>

症状(2年前から)

・車の運転時(特に信号待ち)の強い不安感・動悸・手汗

・ふわふわとしためまい

・首のこり、頭重感、

・緊張時の下痢、脚のむくみ、

・雨の前の様々な心身の不調等

Aさんは自律神経症状のひとつとして下痢があったと思いますが、腸に対するアプローチと自律神経の調整を目的とした鍼灸治療を行っていきました。

2ヶ月、8回受診して頂いた後の問診時で、

・手汗をかかなくなった

・ふわふわとしためまいを感じなくなった

・車の運転時の不安感がとても軽くなり、動悸がしなくなった

・ほとんど下痢をすることがなくなった

・雨の前~雨でも憂鬱感や不安感が楽になり、首こりや頭重感をほとんど感じなくなった

という状態になってきました。

不安感や抑うつ感が凄く軽くなったこと、手汗や下痢が解消されたことは

・緊張などの”ストレス”に対して強くなってきた

・腸の状態が改善されてきた

からではないかと考えています。

このブログでお伝えしたとおり、

・脳のストレスが緩和すると、腸の調子がよくなる

・腸の状態がよくなると、精神的に安定する

という”脳腸相関”が鍼灸治療によっていい方向に働いたと考えています。

まだまだ科学的に証明されていないことが多い鍼灸ですが、「病院で検査を受けてどこも異常がないのに、つらい症状はずっと続いている」という場合は思い切って鍼灸治療を受けてみてくださいね。

心にもからだにもアプローチできる治療ですから・・・

 

あらためて”セロトニン”について

こんにちは、自律神経と女性ホルモンのバランスを整える鍼灸院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は松阪はすごい雨でしたね。

雨が降らないのも困りますが、降りすぎるのも困ります・・・

やはり陰陽と同じで、バランスが大事ですね。

 

さて、今日はこのブログの中でもたびたび登場しています「セロトニン」についてお伝えしていきます。

 

セロトニンは特に人間の精神面に大きな影響を与え、心の安定や安らぎに重要な役割を果たしており、「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」とともに「三大神経伝達物質」と呼ばれています。

しかし意外にもセロトニンの体内の分布は以下のような割合となっているのです。

1.腸-約90%

腸などの消化管の働きに作用するといわれており、「過敏性腸症候群」に大きく関与していると考えられています。

過敏性腸症候群とは腸の検査や血液検査で明らかな異常がないにも関らず、お腹の痛みや不快感に下痢や便秘が長く続く病気で主に“ストレス”が大きな要因となっていると考えられています。

2.血液中-約8%

血液中の血小板にあり、血液循環によって体内を巡っています。「止血作用」や「血管収縮作用」があり、この血管収縮作用が片頭痛の大きな原因だと考えられています。

3.脳-約2%

脳内の中枢神経に存在しており、人間の精神面に大きな影響があるといわれています。セロトニンの不足がうつ病不安神経症の大きな要因と考えられています。

 

セロトニンというと一般的には「脳内にある神経伝達物質で精神的な安定や睡眠に影響を与えるもの」というイメージが定着していますが、この脳内のセロトニンはわずか2%程度しかないのです。

 

しかし、セロトニンの分泌による影響を受ける腸の運動や血管の収縮、感情、睡眠などは自律神経によってコントロールされています。

つまりセロトニンの分泌と自律神経のバランスは相互に関連しあっており、“健康な心とからだ”にとってセロトニンは欠かせないものだといえます。

過度なストレス等により自律神経が乱れるとセロトニンの分泌に異常がおこり、セロトニンの分泌が乱れると自律神経のバランスが崩れるというまるで“シーソー”のような関係なんですね。

 

次回はストレス脳と腸の関係についてお伝えしていきます。

 

 

“肩こり”を放置していると危険です!

 

こんには、ひかり堂院長の齋藤です。

 以前

・鉄の棒のように固くてまっすぐな首

・骨のように固い肩の筋肉

・鉄板のような動かない肩甲骨

の状態で来院され「肩も首も背中もつらくて夜眠れないんです・・・」とおっしゃる患者さんがいらっしゃいました。

「何か定期的にケアされてますか?」とお聞きすると「たまにシップを貼ったりします」とのこと。

「もう何十年も肩こりなんで、は仕方ないかなと思ってますが最近あまりにつらいので・・・」

 

あなたは肩こりを「仕方ない・・・」と放置していませんか?

 肩こりのおこるプロセスをもう一度おさらいすると                

 健康な状態

⇒ 肩・首が疲労し、乳酸がたまり血流が悪くなる

⇒ 筋肉にこりやはりを感じはじめ、血管を圧迫することでさらに血流が悪くなる

⇒ますます筋肉が固くなり痛みの物質が生まれだんだん痛みが強くなる

⇒さらに筋肉が硬くなることで神経を圧迫し腕や手が痺れる

⇒最悪の場合は麻痺が起こる

 

肩こりを放置してしまうと

・緊張型頭痛

・めまいや吐き気

・不眠

・精神的な不調(イライラ・気分の落ち込み)

などの症状がおこってくる場合が多くあります。

 

また、よく患者さんから「手が痺れることがある」といわれることがあります。

脳梗塞など重大な病気の可能性もありますので、必ずCTなどの検査をお勧めしますが、特に異常がない場合は肩こりを放置してきた結果

・頚椎症

・頚椎椎間板ヘルニア

・胸郭出口症候群

といった“病気”にまで進行してしまったと思います。(肩こりを放置したことがすべての要因ではありませんが・・・)

 

私は肩こりの状態(ステージ)を以下のように考えています。

健康な状態⇒(1)疲労⇒(2)こり・はり⇒(3)痛み⇒(4)しびれ⇒(5)麻痺

あなたの肩こりはどの段階にありますか?

疲労感や軽いはり・こりを感じる程度であれば、シップやマッサージで回復するでしょう。

 しかし、“たかが肩こり”とケアを怠り放置すればするほど症状は重くなり、他の症状や病気を引き起こす大きな要因となっていくのです。

そして、”鉄の棒のような首”、”鉄板のような肩甲骨”の状態で痛みや痺れを感じるようであれば、残念ながらもうシップや1回のマッサージで簡単に回復することは難しいでしょう。

 “たかが肩こり”と軽く考えるのは本当に危険なのです。

肩こりこそ放置せず早目にケアし、頭痛やめまいなど他の症状がおこらないよう定期的にメンテナンスを続けることが重要です。

機械や車でも定期的にメンテナンスを行うことで故障を防ぎ、長い間性能を維持できるのです。

万一故障しても、機械なら部品を交換すれば済みますが、人の身体は部品交換するわけにはいかないのですから・・・

 

 もしあなたが肩こりを感じているのなら、明日 早速ケアに行って下さい。

 鍼灸治療は鎮痛作用や血流改善に非常に効果があり肩こりの緩和を得意としています。

あなたの肩こりケアに、是非鍼灸治療も選択肢に入れてくださいね。

それでは お大事に(^v^)

女性に肩こりが多い5つの理由

 

こんにちは ひかり堂院長の齋藤です。

 GWはいかがお過ごしでしょうか?

三重は伊勢の“菓子博”が盛り上がっています!(行ってませんが・・・)

 

さて、今日は肩こりが女性に多い理由についてです。

 ある調査によると肩こりを感じている女性の割合は男性の1.5倍もあるそうです。

 なぜ肩こりは女性に多いのでしょうか?

 <女性に肩こりが多い5つの理由>

 1.肩や首の筋肉量が少なく、肩や首への負担が大きい

2.身体全体の筋肉量が少なく、冷え症になりやすい

3.長時間のPC作業などデスクワークが多く、姿勢が悪くなりやすい

4.ホルモンバランスの乱れの影響を受けやすい

5.ストレスを感じやすく、自律神経が乱れやすい

 

まず体格的に男性よりも筋肉量が少ないので、肩や首への負担は大きくなります。

また、全体の筋肉量自体も少ないので、熱産生が悪く、どうしても冷え症になりやすい傾向にあります。

そして、 長時間のデスクワークでは

・脚を組むことにより骨盤がゆがむ

・前傾姿勢になり頭が前にでるため「ストレートネック」になりやすい

・肩が内側に入る「巻き肩」になりやすい

 

☆骨盤のゆがみ

☆ストレートネック

☆巻き肩

は肩こりの決定的な3大要因です。

これらの身体的な理由からどうしても血流が悪くなりやすく、肩こりになりやすいのです。

 

そして女性特有の“生理周期”によって女性ホルモンのバランスの変化やストレスによる自律神経の乱れによる影響から交感神経が過緊張状態となり、血管は収縮し血流が悪くなることで肩こりになりやすくなります。

 

つまり、女性には身体的な問題だけでなく、内側にも肩こりになる要因があるということです。

したがって女性の肩こりは筋肉を揉むだけでなく、内側の要因(女性ホルモン・自律神経)にもアプローチしなければ根本的に解消しないのです。

 

 “たかが肩こり、されど肩こり”・・・ 奥が深いのです。

 そして”たかが肩こり”だからといって身体のケアを怠り、肩こりを放置しておくと様々な病気を引き起こすリスクが高まってしまいます。

 普段から軽い運動やストレッチなど身体のケアを意識してくださいね。

 

PMSの治療

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日はPMSの治療についてお伝えします。

PMSの治療は婦人科を受診することが第一選択となります。婦人科ではいくつかの検査をし要因を探りますが、一般的には薬物療法が主体となります。

☆PMS全般 → 低用量ピル

ピルにより排卵を抑えることでエストロゲンとプロゲステロンの分泌の急激な変化をなくし症状を起こりにくくします。

☆頭痛・腰痛など“痛み”が強い場合 → 鎮痛剤

☆イライラ・憂うつ等精神的症状が強い場合 

 → 心療内科を紹介され、抗不安薬、抗うつ薬が処方されます。

☆検査で「フェリチン値」が低い場合 → ヘム鉄のサプリメント

また、「機能性低血糖症」が大きな要因の場合は血糖値が上がりやすい炭水化物を控え、ビタミンやミネラルの多い食物を取り入れることなど具体的な食事療法を指示される場合もあります。

低用量ピルなどの薬物療法はどうしても“副作用”のリスクを考慮する必要があるため、最近では副作用のリスクの少ない「漢方薬」を積極的に処方する婦人科が増えてきています。

漢方は鍼灸と同じく東洋医学の考え方であるからだの「気・血・水」の流れを整えていくことで根本的に身体を改善することに優れた治療です。

症状がつらい場合は最初は薬物療法は非常に大切ですが、薬で症状を抑えつつ東洋医学的な治療や規則正しい生活習慣などで体質を改善し、根本的に不調が起こらない身体になることが最も重要なことだと思います。

当院でも鎮痛剤や抗不安薬を服用しながら通院されている方が何人もらっしゃいますが、「いつまでも薬に頼りたくない」という想いから鍼灸治療を受診して頂いています。

本来生理とは同じ周期で、いつの間にか始まりいつの間にか終わり、経血はサラサラし、生理前や生理中に痛みや不快感もないことが理想なのです。

身体全体の「気・血・水」の流れが良くなることでPMSの症状が解消するだけでなく、不妊体質の改善やこれから迎える更年期を不安なくいきいきと過ごせるなど、あなたの人生が大きく変わるこもしれません。

現在生理前のつらい症状がある方は身体に何かしらの原因があるはずですので、根本的に体質を改善していくことを意識してみてはいかがでしょうか?