”睡眠負債”という言葉をご存知ですか?

こんにちは、“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

台風が去り、松阪は今日は朝から快晴です。

大分県など被害のあった地域の一日でも早い復旧をお祈り致します。

さて、今日は「睡眠負債」について。

最近 テレビ番組で特集されたりして「睡眠負債」という言葉をよく耳にするようになりました。

以前ブログで「不眠」について特集させて頂きましたが、今日はあらためて「睡眠負債」としてお伝えします。

睡眠負債とはアメリカのスタンフォード大学の研究者が提唱し、日々の睡眠不足がまるで借金のように積み重なり心身に悪影響を与え、生命にかかわる重大な病気のリスクを高めたり、生活の質を低下させることを示した言葉です。

日本人は世界的に睡眠時間が短く約40%の方は1日の睡眠時間が6時間以下、特に40代は男女ともにさらに割合が高く多くの方が睡眠負債を抱えているそうです。

長期間にわたり慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下が続き、睡眠負債が膨れていくと様々な不調や病気のリスクが高まっていきます。

<睡眠負債のリスク>

1.認知症

2.糖尿病、脳梗塞など生活習慣病

3.ガン

4.肥満

5.集中力の低下       など

<睡眠負債を解消する方法は?>

睡眠負債は慢性的な睡眠不足が蓄積されたものですから、簡単には解消できません。もちろん休日に「寝だめ」ができたとしても解消されません。

睡眠負債を解消するには「昼寝」と「睡眠の質」を高めることが重要です。

明日からできることを3つ紹介させて頂きます。

1.1日10~15分の昼寝(30分以内)

→前夜の睡眠に加算できるそうです

2.朝の太陽の光を浴びる(20秒程度でもOK)

→セロトニンが分泌し、メラトニン(睡眠ホルモン)が夜に分泌されやすくなります。

3.寝る2時間~90分前に入浴する

→ 就寝時に深部体温が下がりやすくなります。

先日もTBSのテレビ番組「金スマ」で睡眠負債の特集があり、あらためて「必要な睡眠時間と質の高い眠りを確保すること」は心と身体の健康、そして美容面にとってもすごく重要だということを痛感しました。

ブログの読んで頂いている方々の中にも睡眠負債を抱えておられる方がたくさんいらっしゃると思います。

皆さんの「睡眠負債」が少しでも早く返済できますように・・・

それでは、私は今からお昼寝させて頂きます。

おやすみなさい(笑)

不眠症に鍼は効くの?

こんにちは、“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

今日は不眠に対する鍼灸治療の効果についてお伝えします。

当院には頭痛やめまい、動悸や不安感など様々な症状が重なっておこっている患者さんが多くいらっしゃいます。

そしてそのつらい症状の中のひとつに「なかなか寝付けない」とか「何回も目が覚める」などといった不眠症の症状が入っています。

病院で検査をしても特に異常はなく、「自律神経失調症」「不安神経症」という診断をされ、診療内科を勧められるケースが多くあります。

病院では不眠に対しては睡眠導入剤や精神安定剤を処方されることが圧倒的に多く、それに対してすごく抵抗がある患者さんも多いのもまた事実です。

当院では不眠に対しても鍼灸治療を中心に行っていきます。

鍼を打って10分~15分ほどそのままの状態でいてもらうのですが、その時に眠ってしまう方もいらっしゃるほどリラックス効果は高いと感じます。

また、治療を受けて頂いた日は「朝までぐっすり眠れた」とおっしゃって頂く患者さんもひとりやふたりではないので、やはり“眠る”ことに対しては効果的なのではないかと考えています。

鍼灸治療の効果として

1.痛みの緩和

2.血流改善

3.免疫力の向上

4.自律神経の調整

が代表的な効果として知られています。

そして最近では様々な研究機関によって、鍼灸治療により”セロトニン”の分泌が増えることが証明されてきています。

睡眠とセロトニンの関係については何回もお伝えしてきたとおり密接に関っています。

鍼灸治療によってセロトニンの分泌が増えるということは、不眠症に対して有効であるという裏付けになるのではないかと思います。

ただ深刻な不眠症に対しては1~2回鍼灸治療を受けただけで簡単に改善することは難しいと考えています。

最初は薬物治療と鍼灸治療を併用し、その間に生活習慣を見直し、根本的に体質を変えていくという気持ちが何よりも大切だと思います。

人間の3大欲求は「食欲」・「性欲」・「睡眠欲」といわれるほど「睡眠」は生理的な欲求なのです。

ですから“眠れない”ということは本来はあり得ないはずなのです。

不眠症は必ず改善されていく症状です。

だから大丈夫ですよ、焦らずゆっくりと・・・(^v^)

不眠を改善するために習慣にすべきこと その②

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日は不眠を改善するために習慣にすべきことの②をお伝えします。

今日は身体が副交感神経優位になるための行動です。

副交感神経優位になるということは、心と身体をリラックスさせ眠る準備を整えていくことです。

夜になっても交感神経が高ぶり、副交感神経へ切り替わっていないことが不眠の大きな原因のひとつですから、心と身体がリラックスするようにしていく必要があります。

そのためにすることを挙げていくと何十個とありますので、きりがありません。

毎日継続して習慣にして頂きたいので、あえて3つに絞ります。

1.就寝の3時間前からは食事・間食はしない

寝付きを良くするためには胃の中の食べ物を消化しておく必要があります。

人間は身体の中の体温“深部体温”が下ることで眠りにつきやすくなります。

胃の中に食べ物が残っていると胃の周辺に血液が集まり、思ったように体温が下がらないため眠気がおこりにくいのです。

食べ物によりますが、3時間前までに食事を済ませておくとほとんど消化は終わっているそうです。

2・就寝の2時間前には入浴を済ませる

入浴直後は深部体温が上昇し、その後徐々に低下していきます。

就寝の2時間ほど前に入浴を済ませておくと深部体温が下った状態でベッドに入ることができるのです。

そして、重要なのは38℃~40℃くらいのお湯に20~30分ほどゆったりと浸かること。半身浴でもOKです。

ぬるめのお湯はリラックス効果を高め、副交感神経の活動を促進してくれます。

(熱いお湯は交感神経を必要以上に刺激しますので、逆効果となります。)

また、入浴後に軽めのストレッチを行うのもお勧めです。

ストレッチをすることで一旦深部体温が上がり、その反動で深部体温を下げる働きが高まるので、深部体温が下がりやすくする効果があります。

3.就寝1時間前からはスマホ、パソコンはしない

スマホやパソコンのいわゆる“ブルーライト”は交感神経を刺激しますので、睡眠の妨げとなります。

ベッドの中でもスマホをする方がいらっしゃるようですが、これは心地よい入眠にはすごく悪影響となります。

できれば、部屋の照明も少し暗くし、「癒し系の音楽」を流すのもいいと思います。

眠る1時間前に照明を暗めにして、癒し系の音楽を流すことを習慣というか儀式のようにすると、脳は「そろそろ寝る時間だ」と理解して、身体に眠るための指示を出してくれるようになります。

前回の「トリプトファン→セロトニン→メラトニン」の流れも、今回の副交感神経へのスムースな切り替えも習慣化することで根本的に体質を変えていけると思います。

すぐに改善しなくても是非コツコツと継続してくださいね。

“継続は力なり”です。

21日間継続するとそれが習慣となるそうですよ。

まずは3週間頑張ってみませんか?

不眠を改善するために習慣にすべきこと その①

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

前回は不眠を改善するために絶対に必要な2つの条件をお伝えしました。

1.メラトニンをきちんと分泌する身体になること

2.夜は副交感神経が優位になること

今日はそのために習慣にしてほしいこと その①として

メラトニンをきちんと分泌するための行動についてお伝えします。

メラトニンを多く分泌するために習慣にしてほしいことが2つあります。

1.「トリプトファン」を意識して摂取すること

前回メラトニンをきちんと分泌するためにはセロトニンの分泌が重要であるとお伝えしました。

そのセロトニンの生成の材料となるのが「トリプトファン」という物質です。

トリプトファンとは、人体に必要不可欠で体内では生成することができない必須アミノ酸の一種です。

このトリプトファンを多く含む食品を意識して取り入れてください。

トリプトファンを多く含む主な食品は以下のとおりです。

豆乳、大豆、納豆、米、バナナ、パイナップル、アボガド、緑黄色野菜、赤身の魚、豚肉、チーズ、アーモンド等

当たり前のことですが、極端に偏らず、バランスの良い食事を心掛けてくださいね。

そして

トリプトファンを多く含む食品を摂取 → セロトニンが生成 → メラトニンが分泌 → 不眠の解消

という一連の流れを作ってほしいのです。

2.朝日を浴びながら軽い運動する

太陽光を浴びながらウォーキングなど軽い運動をすると交感神経が刺激され、セロトニンの分泌が活発になります。

そして、セロトニンが分泌されてから、およそ14時間~16時間後にメラトニンの分泌が始まります。

ウォーキングなど運動な苦手な方は、部屋のカーテンをあけ、朝日を取り込むことを意識するだけでも効果が期待できるそうです。

つまり、朝日を浴びることでセロトニンが分泌され、体内時計に予約が入り夜にメラトニンが自然に分泌されるようになります。

例えば朝6時半からウォーキングの習慣をつけると、夜の8時半くらいからメラトニンが分泌される身体になっていくのです。

いかがですか?

できそうですか?

せめて朝カーテンくらいはあけてくださいね(笑)

1日や2日実行したくらいでは何も変わらないと思いますが、1ヶ月、3ヶ月、半年と継続していくことで確実に身体に変化がおこってくると思います。

まずはセロトニンを増やして、メラトニンをきちんと分泌させましょう。

次回は「夜に副交感神経優位になるための行動」についてお伝えします。

不眠を解消するために絶対に必要な2つの条件

こんにちは ひかり堂の齋藤です。

前回は不眠の原因についてお伝えしました。

その中で病気や症状など身体的な要因による不眠は、その病気や症状を治すことで解消されていく不眠です。

今日は身体的な要因以外の不眠症を解消するための条件をお伝えします。

不眠症を根本的に改善するために絶対に必要なことが2つあります。

①睡眠ホルモン「メラトニン」がきちんと分泌されていること

睡眠には「メラトニン」という眠気を促すホルモンが大きく関係します。この「メラトニン」というホルモンがきちんと分泌するには、神経伝達物質の「セロトニン」が十分に分泌されていることがとても重要となります。

セロトニン」には「メラトニン」の生成を促す働きがあります。

つまり「メラトニン」は「セロトニン」を原料として作られるため、セロトニンが不足していると睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が少なくなるため 不眠症になりやすいのです。

また、この「セロトニン」は心を穏やかに安定させる働きがあり、うつ病やパニック障害などの改善にも欠かせない物質として知られています。

②副交感神経優位の状態となること

人間は本来は朝から夕方までは交感神経が活発に働き、夕方以降は交感神経の働きが弱まり、副交感神経が働きはじめることで”眠るモード”に切り替わっていきます。

しかし、不眠症の方の多くは夜になっても自律神経のスイッチが切り替わらず、交感神経が緊張している状態となっており身体が眠る準備を始められないのです。

睡眠にとって、寝る2~3時間前には自律神経のスイッチが切り替わり副交感神経優位の状態になっていることがとても重要です。

不眠には安定剤や睡眠導入剤、睡眠薬など薬による治療が主流となっています。

不眠が長引けば精神的にも肉体的にもつらくなり、他の症状や病気を引き起こす可能性が高まりますので、まずは不眠自体の症状を抑えるという意味で、薬の服用は重要だと思います。

しかし、薬の服用が長期間に及ぶと依存性や副作用のリスクも高まってきます。

本来人間が持っている“眠る”という行為を薬に頼らず自分自身の力で取り戻していくことが大切だと考えています。

そのためには

・メラトニンの分泌を高めること

・眠る前には副交感神経優位の身体になること

が絶対必要なことなのです。

次回は具体的にどうすればいいのかについてお伝えします。

それでは おやすみなさい(-_-)zzz

不眠の5つの原因

こんにちは、ひかり堂の齋藤です。

今日は不眠の原因についてお伝えします。

不眠の原因は大きく5つに分類されています。

①身体的要因 

病気や症状などの要因。例えば喘息で咳込む、湿疹・じん麻疹などのかゆみ、ケガの痛みなどで眠れないケース。

②環境的要因 

旅行などで寝具が変わる、海外旅行等での時差ボケ、交代勤務などの昼夜逆転など環境や生活リズムが変化することで眠れないケース

③心理的要因

仕事や人間関係など心配事や不安から精神的なストレスがかかり眠れないケース

④精神的な病気の要因

不安神経症やうつ病、統合失調症などの精神疾患を患っている方は睡眠の質やリズムが悪くなる傾向があります。

⑤薬理的要因

薬やアルコール、カフェイン、ニコチンなど薬の副作用や食事・嗜好品の影響により眠れないケース

そしてこれらの要因がいくつか重なって不眠という症状があらわれる場合が多いのです。

例えば、私の経験ですが、仕事でストレスを抱えなかなか寝付けない、すぐに目が覚めるといったことが続くと、寝る直前までお酒を飲むことが多かったです。

しかしお酒を飲みすぎることで余計に目が冴えたり、トイレに起きる回数が増えたりして結局睡眠の質が悪くなっていました。

アルコールは適量だと血行が良くなり、リラックス効果もあるので眠りやすくなりますが、量が増えると全く逆効果になってしまいます。

結局睡眠不足や睡眠の質の悪さから、寝起きが悪く疲れがとれないまま仕事に行ってはまたストレスを抱えるという悪循環を繰り返してしまってました。

人生のおよそ3分の1を占める睡眠時間を良質で有効なものにしたいですね。

次回は良質な睡眠をとるための方法についてお伝えします。

4つの”不眠”

こんにちは ひかり堂の齋藤です。

昨日は“不眠”という症状でお悩みの患者さんが続けて来院されました。

あなたは最近「なかなか寝付けない」とか「夜中に何回も目が覚める」といった症状はありませんか?

今日は不眠についてお伝えします。

「旅行に行って枕が変わると眠れない」

「明日の仕事のことが気になって眠れない」

「明日は朝早いから早く寝ないといけない」

と考えると余計に眠れないといった経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

一時的な環境の変化やストレスなどが原因で眠れない場合は

“一過性不眠”と呼び、1週間程度続くものを“短期不眠”と呼びます。

これらは、不眠となる原因がはっきりとしているため、その原因が解決すると
不眠は解消していきます。

しかし、不眠の状態が1ヶ月以上続く場合は“長期不眠”と呼ばれ専門的な
治療が必要となってきます。

そして、不眠症といっても大きくは4つに分類されています。

☆入眠障害
寝ようとしてもなかなか寝付けない。(寝付くまで30分以上かかる)
☆中途覚醒
眠りが浅く、何度も目を覚ましてしまう。一度目を覚ますとなかなか寝付けない
☆熟睡障害
十分睡眠をとったはずなのに熟睡した感覚がなく、起きてもすごく疲れを感じる
☆早朝覚醒
朝早くに目が覚めて、その後眠れない

そして、これらの症状がひとつだけあるタイプや複数重なってあるタイプの方など症状の現れ方も個人差があります。

ある調査では、日本人の5人に1人は睡眠になんらかの不調を感じているそうで、決して少数の方だけが悩んでいるわけではないのです。

なぜ、不眠という症状がおこってしまうのでしょうか?

次回は不眠の原因についてお伝えします。