心に効くツボ

こんにちは、ひかり堂の齋藤です。

昨日 NHKで「東洋医学 ホントのチカラ」という番組が放送されました。

鍼灸や漢方、太極拳など東洋医学に関する特集でした。

その中でパニック症(障害)や不安症など精神疾患の不安感や動悸・過呼吸に対して有効なツボを「心に効くツボ」として紹介されていました。

今日はそれを含めて当院でよく使うツボを紹介します。

それぞれのツボを少し痛気持ちいいと感じる強さで5秒くらい押してみてください。(1セット5回~10回)

① 内関(内関)

手首のしわから指3本分下で腱と腱の間。

息苦しさや不安感を感じた時に押してください。

この内関はお天気痛(雨天時の不調)や吐き気にも効果があります。

② 神門(しんもん)

小指側の手首のすぐ下の骨の内側の際のへこんだところ。

動悸や息苦しさ、不安感を和らげる効果があります。

③ 太衝(たいしょう)

足の親指と人差し指の間を甲側に撫でていき指が止まるところ。

ストレス解消のツボとして有名です。

④ 足三里(あしさんり)

膝の外側で指4本分下。

足三里は”気”の巡りを良くするツボとして有名ですが、胃の働きを強くする働きにも優れています。

そして、近年はハッピーホルモンの「オキシトシン」の分泌を高める効果が高いことが知られてきました。

 

番組内で、欧米ではパニック障害や不安症、うつ病など精神疾患の患者さんに薬物療法と鍼灸治療を併用していくことで改善率が高まるということが紹介されていました。

いずれのツボもセルフケアとしてご自身で簡単にできますので心の不調でお困りなら是非試してみてくださいね。

東洋医学からみる自律神経

「あなたらしい生き生きした毎日を共に目指す治療院」ひかり堂です。

 

今日は東洋医学から見る自律神経の考え方についてお伝えします。

東洋医学の基本的な考え方のひとつに「陰陽論」があります。

これは一言でいうと世の中のすべてのものや事象を“陰”と“陽”の2つに分け、人間の身体や自然、宇宙などについて考えていくという理論です。

例えば

陰 → 女 夜 裏 月  冷 暗 地 雨 ・・・

陽 → 男 昼 表 太陽 熱 明 天 晴 ・・・

こんなイメージです。

 

これを自律神経に置換えると

陰 ― 副交感神経

陽 ― 交感神経        

となります。

そしてこれらの陰陽の関係は善悪とか重要や不要といった考え方はしません。どちらも欠かすことができません。

天気予報で雨の場合に「天気が崩れる」という表現をしますが、「天気が悪くなる」という表現はしませんよね。雨は悪いものではないですから。

この陰と陽のどちらかが極端に強くなりすぎたり弱くなりすぎたりせず、バランスをとりあっている状態を維持することが重要なのです。

 

本来雨は悪いものではないはずなのですが、近年は局地的な豪雨などによって各地で被害が発生しています。

これは“雨と晴”という陰陽のバランスが崩れたことにより自然界のバランスが崩れたということになります。

”過ぎたるは及ばざるがごとし”

何度もいいますが、すべてはバランスが取れていることが重要なのです。

 

そして人間には「ホメオスタシス」(恒常性)という“陰陽のバランスを取る力”が備わっています。

真夏の40℃近い酷暑の日でも真冬の氷点下の日でも体温は36.5℃前後で一定に保たれています。

ものすごく簡単にいうとこれがホメオスタシスです。

 

今 自律神経失調症という名の心身の不調でお悩みの方は、東洋医学的にはこの“陰陽のバランスを取る力”が少し弱くなっているだけなのです。

 

鍼灸はこの“陰陽のバランスを取る力”、つまり自律神経を整える力を目覚めさせていくことに優れた治療法だと思っています。

もうどこに行ってらいいのかわからなくて困っているなら、是非鍼灸治療を受けてみて下さいね。

 

めまいに鍼灸治療が有効な理由

こんにちは、ひかり堂です。

9月以降めまい・吐き気を訴える患者さんが一気に増えました。

例年以上に多いと感じています。

 

あまり知られていないのが残念ですが、実はめまいに対して鍼灸治療はとても有効です。

それはめまいの原因に対し的確にアプローチできるからなのです。

 

当院の鍼灸治療では主に以下の3点を行っていきます。

①内耳の血流を改善する

②首・肩の筋緊張を緩める

③自律神経のバランスを整える

 

耳の周辺にはいくつかのツボがあります。

そのツボに直接鍼をしていくことで内耳自体の血流を改善していきます。

また、首や肩へ鍼をしていくことで筋肉の緊張を緩め、脳へ繋がる動脈の流れを改善していきます。

これらはマッサージなどでも対応できるかもしれませんが、鍼は深層筋(深いところにある筋肉)に直接アプローチすることができるのです。

 

そして、めまい治療の重要なポイントである「自律神経の調整」は鍼灸が最も得意としています。

この時期に多い寒暖差や台風等による気圧の変動や過度なストレスによる自律神経の乱れがめまいの大きな要因になっています。

 

自律神経の調整には患者さんのからだの状態によりツボを選んでいきますが、主に背中やお腹、手足にあるツボに鍼や灸をしていきます。

手足などのツボに鍼や灸の刺激を入れることで“経絡”という通路を通り問題のある臓腑の働きを改善し、「気・血・水」を頭から末端まで全身に巡らせることであなたが本来持っている”治る力”(自然治癒力)が高まり、あなた自身の力で回復していきます。

 

つまり、鍼灸治療はめまいの原因である局所(内耳)と首・肩のこり、そして自律神経にアプローチができることで、高い改善効果をだせるということです。

めまいでお悩みの方は是非一度鍼灸治療を受けてみてください。

あなたの悩みを解決してくれるのは、意外にも近くの○○鍼灸院かもしれませんよ。

鍼灸は減薬・断薬に有効なんです

こんにちは、ひかり堂の齋藤です。

先日健康診断で受診した内科の先生との会話の中で、

「クスリはリスクでもある」

という内容のお話を聞きました。

特に鎮痛剤(痛み止め)や抗不安薬(不安やイライラを鎮める薬)は非常に即効性があり、効果が高いものが多い。

しかし、その反面 服用が長期間になってくると

①依存性が強まる

・薬を飲むと症状が和らぐので、どんどん薬の量が増えていく

・薬を飲まないと不安で仕方ないという状態になってくる

・症状が出そうになると予防的に飲んでしまう

②長期間服用することで薬の効きが低下していく

③副作用がでる・他の病気・症状を引き起こしやすい

④なかなか薬の量が減らせない、やめれない

⑤薬をやめると離脱症状がでる

 

「薬は効果がある半面リスクも多い」ということなのです。

 

 

当院には長年ロキ○ニンなどの頭痛薬やデ○スに代表される抗不安薬、睡眠導入剤、抗うつ薬を服用されている患者さんが多数いらっしゃいます。

短い方は数ヶ月程度ですが、長い方になると10年以上服用を続けています。

 

それでも鍼灸治療を継続することで症状が軽減し薬の量や服薬回数が減っていき、

大半の方は減薬・断薬に成功しています!!

 

<なぜ鍼灸を続けると薬をやめられるのか?>

鍼灸治療には様々な効果がありますが、私は以下の3つが非常に大きいと考えています。

1.鎮痛効果

脳内で作られるβエンドルフィンという鎮痛作用のある物質の分泌量が高まる

2.精神面の安定を図る効果

幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」や「セロトニン」の分泌が高まり、不安感やイライラ感を軽減し、精神的な安定を図る

3.自律神経のバランスを整える効果

交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経の働きを強めることで自律神経のバランスを整える

 

これらの働きは本来人間に元々備わっている能力であり、健康な状態であればこの能力は十分に発揮されます。

この力を自然治癒力と呼んだりします。

 

何か心身に不調がある場合はこの自然治癒力が十分に発揮できない状態にあるということですから、症状を軽減するためにはまずは薬の力に頼ることは非常に大切だと思います。

そして、症状が軽減してきた後、低下している自然治癒力を早く元の状態に戻していくことで自然に薬も必要なくなるという流れが望ましいと思っています。

 

鍼灸はこの自然治癒力を自分自身の力で高めていくこと目的とした安心・安全な治療なので、着実に減薬・断薬につながっていくのだろうと実感しています。

 

長年頭痛薬や抗不安薬を服用し続けている方で、「もう薬を減らしたい・やめたい」と本気でお考えなら、鍼灸をお勧めします。

 

 

 

お灸で”免疫力”をたかめよう!!

 

こんにちは、ひかり堂の齋藤です。

新型コロナウィルスの感染が世界的に広まりパンデミック宣言まで出てしまいました。

手洗い・消毒・マスクなど予防はとても大切ですが、

普段から免疫力を高め感染しない身体でいることも重要ですよね。

今日は鍼灸師という立場から免疫力を高めるお灸についてお伝えします。

 

お灸については江戸時代には松尾芭蕉が「足三里」というツボに毎日お灸をすえながら旅をしていたという話は有名です。

最近では「モクサアフリカ」という団体がアフリカ地域での結核の予防・治療にお灸を普及し成果をあげていることが知られています。

(モクサアフリカホームページ)

https://www.moxafrica-japan.com/

 

お灸には免疫力を高める効果があるといわれています。

皮膚上にお灸をすることで温熱刺激や小火傷による炎症を起こすことで白血球等が増加し免疫力が高まるというものです。

今日はおすすめのツボをご紹介しますので、是非日常の生活の中でお灸を取り入れてみてくださいね。

 

<足三里>

膝のお皿の下の部分から指4本下で足の少し外側。

「気」の巡りを良くする働きに優れ、胃腸の働きを高めます。

また、“幸せホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」の分泌を高め、精神的な安定をもたらします。

 

 

<湧泉>

足の裏で、指を曲げた時にできるくぼみ当り。

生殖器、泌尿器系の症状改善に優れ, 文字どおり、泉が湧き出るツボで身体の活力 (生命力)を高め、“冷え”にも効果的です。

また、不眠に対してもよく使われるツボです。

 

お灸はドラッグストアで買えます。また当院でも販売していますので(100個入り・2000円)お問い合わせください。

東洋医学からみた「パニック障害」

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日は東洋医学から見た「パニック障害」についてお伝えします。

<パニック障害の代表的な症状>

1.パニック発作(過呼吸発作・激しい動悸・息苦しさ)

2.予期不安(また発作がおこるのではないかという不安)

3.広場恐怖(予期不安から電車に乗れない、スーパーに買物にいけない・・・)

 

東洋医学的にみると

・動悸や過呼吸、息苦しさ

⇒ 「心」・「肺」・「肝」の働きが弱っている

・不安や恐怖

⇒ 「腎」がダメージを受けている

と考えます。

特に「腎」の働きが弱くなっている(腎虚といいます)ことで、「予期不安」や「広場恐怖」がさらに強くなっていきます。

 

パニック障害の西洋医学的な薬物療法は不安感を抑える「抗不安薬」や「抗うつ薬」などが処方されます。

これは興奮や不安感、恐怖感などを軽減し精神的に安定させる働きのある脳内神経伝達物質の「GABA」や「セロトニン」を薬で補うということです。

 

 

一方、鍼灸治療では、「心」や「肺」、「肝」、「腎」に対する治療をベースにし、その患者さんの状態をみて“ツボを選択”し全体の治療を組み立てていきます。

鍼灸治療は対症療法ではなく、身体全体の「気・血・水」の流れを改善することを目的とした根本治療となります。

身体全体に「気・血・水」が滞りなく、十分に巡れば人間が本来持っている“自然治癒力”が目覚め、「GABA」や「セロトニン」を再び自分自身の力でしっかりと分泌できるようになり、結果的に動悸や息苦しさ、不安感や恐怖感などの症状が軽減していくという考え方です。

当院では、パニック障害の患者さんに対しては鍼灸治療と整体を組み合わせた治療を行っていきますが、おおよそ5~6回程度の治療後から

・呼吸が深くゆったりできるようになってきた

・身体の緊張が和らぎ、首や肩・背中のこりが楽になってきた

・不安感が少し楽になり、「大丈夫かもしれない」と思えるようになってきた

という感想を頂くことが多いと感じています。

 

発病の初期は抗不安薬などの薬物療法は非常に有効だと思いますが、なるべく早く減薬・断薬するために是非鍼灸治療の受診も検討してみてください。

きっとあなたのお役に立てると思います。

冷え性を改善するお灸 とっておきの5つツボ!

 

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

 

何回かにわけて“冷え性”についてお伝えしてきましたが、今日は自分でできるお灸のお勧めの5つのツボをご紹介致します。

 

<① 関元>

おへそから指4本分下ったところ。

いわゆる「丹田(たんでん)」という“気”のあつまる場所。下腹部を温め女性特有の症状に効果があります。

 

<② 足三里>

ひざのお皿の下から指4本分下った小指のあたるところ。気の流れを強め、主に胃腸の働きをよくします。

 

 

<③ 三陰交>

内くるぶしのてっぺんから指4本分上。

“血の巡り”を改善し、生理痛や生理不順など婦人科疾患に非常に有効です。

 

 

<④ 太谿>

内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。

足先の冷えやむくみなどに有効です。特に更年期世代の女性の“冷えのぼせ”に効果的です。

 

 

<⑤ 湧泉>

足の指を曲げてグーをした時にへこんでいるところ。

字のごとく「元気が泉のように湧きでる」ツボです。身体全体を元気にする万能ツボといわれています。

 

灸はただ単に温めるだけではありません。

ツボに温熱刺激が入ることで自律神経に働きかけ、血流やリンパの流れが良くなり内臓の働きを強め免疫力を高める効果があります。

継続してやっていくことで根本的な体質改善が期待できます。

「せんねん灸」など市販の商品でお手軽にできますので、是非試してみてくださいね。

 

 

東洋医学からみた”冷え性”

 

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日は東洋医学から見た”冷え性”についてお伝えします。

 

東洋医学からみる“冷え性” は今おこっている様々な症状の大きな要因のひとつとして重要視しています。

肩こり・首こり・頭痛

・生理痛・生理不順・不妊体質

・むくみ・不眠・便秘・下痢・・・etc

まさに「冷えは万病のもと」という考え方です。

 

そして東洋医学の目的は

身体の“気”・“血”・“水”の巡りを整えていくこと

で体質を改善していくことですから、“冷え性”の原因である

・身体の熱を作り出す力を高めていくこと

・血流を良くして手足の末端まで行き渡らせること

は東洋医学の最も得意とする分野なのです。

 

東洋医学では“冷え”の要因を「気・血・水」の不足や滞りと捉え、大きく5つのタイプにわけています。

①気虚(陽虚)

気(エネルギー)の不足により「陽」(温める力)が弱く熱を作り出せない

②気滞(きたい)

気が滞り流れが悪くなっている 

冷えのぼせなど(上半身は熱く、下半身が冷えるタイプ)に多い

③血虚(けっきょ)

血の不足により熱を作り出せない・末端まで血流がいかない

④瘀血(おけつ)

血がドロドロとして滞り、流れが悪く血を運べない

⑤寒湿(かんしつ)

水分(リンパ液など血液以外の水分)の量が多く流れが悪いため、水分が溜まっているところが冷える

 

鍼灸治療は字のごとく“鍼”と“灸”を使って“ツボ”を刺激していくことでこれらの要因を解消していきます。

 

特にお灸はツボに温熱刺激を加えて身体に熱をいれることができますので、”冷え体質”の方には当院でも積極的に行っています。

しかし、残念ながら1~2回鍼灸治療を受けて頂いても劇的に体質が改善することはありません。

あなた自身の力でゆっくりと少しずつ体質を変えていくのです。

鍼灸治療は一時しのぎの対症療法ではなく、根治療法であるということをどうぞご理解ください。

 

それでも「冷え性に鍼灸は効果がありますか?」と聞かれれば「すごく効果があります!!」と即答します。

特に女性特有の生理に関係する症状にはとても有効で、副作用のない安心・安全な治療法だと実感しています。

 

冷え性のあなた、東洋医学の力で体質を変えて「冷え性」を改善していきませんか?

あなたの”冷え”はどのタイプ?

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日も”冷え”についてですが、「冷え症のタイプ」についてお伝えします。

 

ひと言で“冷え”といっても大きくは4つのタイプがあります。

あなたの“冷え”はどのタイプでしょうか?

 

1.全身型

首から肩・背中・腰にかけて特に冷えを感じるタイプ。平熱の体温が低いことも特徴となります(35℃台または35台以下の場合もある)。比較的男性も多い。

2.四肢末端型 

身体は冷えを感じないが、手や足の指先が極端に冷えて指先を温めてもなかなか温まらないタイプ。10代~50代の幅広い年代の女性に多い。

3.下半身型 

腰から足先の下半身に冷えを感じるタイプ。上半身は熱く、下半身が冷える「のぼせ冷え型」もある。更年期の女性や中高年の男性に多い。

4.内臓型

身体の表面は暖かいが身体の内側(内臓)が冷えているタイプ。身体は冷えを感じないため自覚症状がない場合も多い。年齢や性別に特に関係ない。

上記のようにひとことで“冷え”といってもそれぞれタイプがあります。

 

次回は「冷え性を改善する方法」についてお伝えしましす。

 

 

 

やっぱり ”冷えは万病の元” なんです

こんにちは、 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は「冷えは万病の元」についてです。

 

前回は冷えの原因は

・身体の熱を作り出す力が弱いこと

・手足の末端の毛細血管まで血液が行き渡らないこと

とお伝えしました。

 

つまり低体温(36℃以下)と血行不良ということです。

低体温と血行不良は女性にとってどんな影響があるのでしょうか?

 

1.免疫力が弱まる

体温が1℃下ると免疫力は30%~40%低下するといわれています。

免疫力が低下すると細菌やウィルスへの抵抗力が弱まり、風邪や感染症にかかりやすくなります。またがん細胞への攻撃力も低下してしまうのです。

2.卵巣や子宮などの機能低下・機能障害を招く

身体が冷えて、血流が悪くなると子宮や卵巣の働きも悪くなり、女性ホルモンバランスが乱れやすくなります。そのため生理痛や生理不順、婦人病や不妊体質になりやすくなります。

3.新陳代謝が悪くなる

血流が悪いと老廃物や余分な水分などの排出が悪くなります。そこに加齢による新陳代謝の悪化も加わりむくみやすく、太りやすい体質になっていきます。

4.肌トラブルが多くなる

冷えによって新陳代謝がわるくなることで、肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)の機能が低下します。

顔のむくみやしわ、くすみ、にきびや吹き出物といった肌トラブルを引き起こしやすくなり、老けやすくなります。

5.首肩こり・腰痛・関節痛等をおこしやすい

冷えによる血行不良は首・肩などのコリを慢性化させ、痛みが感じやすくなります。

6.自律神経が乱れやすくなる

“冷え”によって自律神経(交感神経と副交感神経)の切り替えがスムーズに行われなくなります。そして自律神経の乱れによってさらに“冷えやすい体質”になっていきます。

 

“冷え”による身体への悪影響は計り知れません。

 

やはり女性にとって“冷えは万病の元”なのです。

 

次回は“冷え性のタイプ”についてお伝えしていきます。

“冷え性”になる2つの原因

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

ここ数日 朝晩の冷え込みが厳しいですね。

当院の患者さんも”冷え性”の方が多いです。

 

ということで今日は”冷え”の原因についてお伝えします。

冷えの原因は大きく2つあります。

 

1.身体の中の熱を作り出す力が弱い

2.手足の末端の毛細血管まで血液が行き渡らない

 

人間には外部環境が変化しても体内環境を一定に保つ力(ホメオスタシス)があり、体温や血圧や血流量も常にほぼ一定に保たれています。

つまり身体が熱を作り出し、その熱が手足の末端まで行き届けば冷えることはないのです!

ではなぜ“冷え性”になるのでしょうか?

 

<熱を作り出せない理由>

・熱を作り出す元になる筋肉量が少ない 

・運動不足

・身体を冷やす食生活をしている

・ダイエット目的の誤った食事制限

・薬などの影響

 

<手足の末端の毛細血管まで血液が行き渡らない理由>

○自律神経や女性ホルモンバランスが乱れている

 → 交感神経の働き過ぎにより常に血管が収縮している

○下着などにより身体を締め付けている

 → 血管を圧迫し血流が悪くなる

○食べ過ぎによって食物を消化するために胃腸に血液が集まりすぎる 

→ 手足の末端まで血液がいかない

 

そして“冷え性”は特に女性に多いというイメージがありますが、男性は30%ほど、女性はなんと約70%~80%の方が“冷え性”だと自覚しているそうです。

やはりイメージどおり”冷え性”の女性は多いのです。

 

<なぜ女性に冷え性が多いのでしょうか?>

女性は男性に比べ

☆骨格的に筋肉量が少ない

☆生理がある

⇒ 自律神経や女性ホルモンのバランスを崩しやすいため元来男性よりも冷えやすいのです。

 

“冷え”、特に”女性の冷え”は様々なリスクを引き起こします。

次回は”冷えは万病の元”についてお伝えします。

鍼灸治療で太るの?痩せるの?

関東から東北は台風ですね、どうか大きな被害がでませんように・・・

しかし東海~西日本は今日も酷暑です。

本当に毎日暑いですね、というか異常な暑さが続いていますね。

こんな暑さが続くと食欲をなくしている方も多いのではないでしょうか?

しかし、

「鍼灸治療を受けるようになってすごく食欲がでて、よく食べるようになりました。今までならちょっと食べ過ぎるとお腹をこわしていましたが、最近はお腹をこわすことがなくなりました」

「先生 3ヶ月で5kg太りました」

「6ヶ月で8kg体重が増えました」

こんな患者さんが多くいらっしゃいます。

(大半の方はやせ型で標準体重よりも軽く、胃腸の調子が悪い)

逆に

「1ヶ月で3kg痩せました」

「何もダイエットとかしていないのに、3ヶ月で7kg痩せていました」

こんな声もたくさん頂きます。

 

 

 

鍼灸治療を続けていくと太るのでしょうか?痩せるのでしょうか?

 

答えは・・・・ 両方です。

鍼灸治療は自律神経を整える効果に優れています。

そして内臓の働きは自律神経に大きな影響を受けます。

 

従って食欲がなくて、食べすぎるとすぐにお腹をこわしてしまう方が鍼灸治療を続けていくと胃や腸の働きがよくなり、食欲が増し、栄養をしっかりと吸収できる状態になっていくのです。

ほとんどの方は食べる量が増え、体重が増えたことを喜んでいらっしゃいます。

 

痩せていく方も同様に胃腸の働きがよくなり、血流やリンパの流れも改善していくことで便秘やむくみが解消し、排泄が活発になっていきます。

そして結果として、体重が落ちていくということになります。

 

鍼灸はその方の身体の状態に応じて、自分自身の力で最適な状態にしていくのです。

 

実は今日8月9日は「はりきゅうの日」なんです。

ちなみに4月9日は「しんきゅうの日」。

日本の鍼灸治療の受療率(鍼灸を受けたことのある割合)はなんと8%前後らしいです。(100人に8人程度しか鍼灸治療を受けたことがない)

 

この酷暑の夏にあらためて鍼灸治療の魅力を感じながら、ひとりでも多くの方々が鍼灸治療を当たり前に受けて頂けると嬉しいです。

頭痛にはなんといっても鍼が効く!

 

「あなたらしい生き生きとした毎日」を共に目指す治療院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日は「なぜ頭痛に鍼は圧倒的に効果がでるのか?」について。

慢性的な頭痛でお悩みの方は本当に多くて全国で3000万人~4000万人もいるといわれています。(もちろん症状の程度の差はありますが・・・)

 

当院にも頭痛でお悩みの患者さんが多く来院されます。

私自身が以前かなりの頭痛持ちであったため、頭痛患者さんのつらいお気持ちは本当によくわかります。

当院では慢性頭痛を5つに分類しています。

1.筋緊張型頭痛
2.片頭痛
3.低気圧性頭痛
4.生理時頭痛
5.薬剤性頭痛

いずれの頭痛に対しても鍼治療はとても有効です。
それはそれぞれの頭痛の原因に対して的確にアプローチできるからです。

その中でも「筋緊張型頭痛」に対してはこちらが驚くくらい効果がでます。

当院の場合では、1週間に3~4回は頭痛薬を飲んでいる方でも大体5回くらいの受診で劇的に服薬回数は減って、1ヶ月に1回~2回くらいになっていく方がほとんどです。

3月下旬には頭痛患者さんが続けて来院され、ちょうど1ヶ月ほど経過しましたが、 どの患者さんもこちらのご提案どおり通院して頂いたので本当に頭痛がおこらなくなったと喜んで頂いています。

<なぜこれほど効果がでるのか?>

個人的な見解ですが、頭痛の原因となる「後頭下筋群」に直接アプローチできるからだと思います。

後頭下筋群は後頭部から頚椎2番にかけてつないでいる4つの筋肉群(小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)で、僧帽筋などの下にある深層筋といわれる筋肉です。

長時間のPC作業やスマホ使用によって、肩や首が凝り、(表層にある僧帽筋や肩甲挙筋といった筋肉が凝り)、深層の「後頭下筋群」まで凝ってしまうと、神経や血管が圧迫され頭痛がおこってくるのです。

そして、鍼はマッサージなどでは届かないこの「後頭下筋群」に直接鍼を刺すことでこれらの筋肉を緩めることができるのです。

 

肩や首が凝りすぎて毎日のように頭痛がおこり頭痛薬が手放せないあなた!

もう頭痛薬ばかり飲まずに1日でも早く鍼治療を受けてみて下さいね。

「好転反応」と「揉み返し」の違い

「あなたらしい生き生きした毎日」を共に目指す治療院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は「好転反応」と「揉み返し」との違いについてお伝えします。

あなたも好転反応という言葉を聞いたことがあるかと思います。

鍼灸院や整体院で施術を受けた後、半日~1日程度症状がさらに重くなったり、だるさや眠気、痛みや発熱が起きることがあります。

これは体に溜まっていた老廃物などが血液を通して排出されることから起きる症状で、身体の不調の原因となっている疲労物質発痛物質(痛みを起こさせる物質)を体外に排出し、身体が正常な状態に戻ろうとする力が働いている状態と考えられています。

つまり、身体が悪い状態から良い状態に好転しようとしていることから「好転反応」と言われ、東洋医学ではこれを瞑眩反応(めんげんはんのう)と呼び、いわゆる自然治癒力が働き始めたことによる良い反応と捉えています。

 

鍼灸治療の場合、だるさや倦怠感、眠気などの”好転反応”がでた後にからだがすっきりとした感覚や症状の軽減を実感して頂くケースが多いと感じています。

 

当院では、施術後にこの好転反応について必ず説明をさせて頂いており、次の来院時に前回の施術後からの身体の状態についてお聞きし、治療の組み立てを考えていきます。

 

 

一方「揉みかえし」とは、強い刺激で筋肉が傷ついた時にでる痛みです。
筋肉は、筋線維という筋の束を筋膜という膜が包んでいます。

コリのある筋肉を強く揉むと、筋膜がやぶれ筋線維が傷つきます。
この時、コリがほぐれたような気持ち良さを感じるのですが、残念ながらそれは一時的なもので施術後は筋膜と筋線維が損傷しているため痛みが出てきます。

そして、損傷した筋肉が修復されていく過程で、以前より硬くなってしまうのです。

まさにハードな筋トレをして筋肉が太く強くなっていく時のような状態で、このことを“揉み返し”と呼んでいます。

そして、強い刺激に慣れていくと身体の感覚は鈍くなり、さらに強い刺激が快感となり、筋肉はますますカチカチに硬くなっていく・・・これが揉み返しによる悪循環です。

 

好転反応による不快な症状と揉み返しはメカニズムが違うのです。

鍼灸治療では好転反応はおこりますが、揉み返しはおこりませんのでどうぞ安心して受けてくださいね。

肝心要(かんじんかなめ)

「あなたらしい生き生きした毎日」を共に目指す治療院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

突然ですが、あなたも「肝心要(かなめ)」という言葉を聞いたり、使ったりしますよね?

この言葉は「非常に大切なこと」という意味で使われており、本来は「肝腎要(かなめ)」と書くそうです。

要(かなめ)とは扇を綴じるために、骨の末端に近い部分にある小さい穴に入れる釘のことだそうです。扇は綴じてある「要」がダメになると壊れてしまうので「最も重要な部分」のことを指します。

そして、「肝」「心」・「腎」・・・? そうです、人間の臓器です。

 

東洋医学では様々な事物を5種類に分けて考える「五行論」という考え方があります。

臓器の「五臓」は「肝・心・脾・肺・腎」と呼ばれていますが、中でも「肝」と「腎」は特に重要な臓器と考えられていたのでしょう。(すべて重要ですが・・・)

この「五臓」は現在の西洋医学的な臓器とは若干異なる働きや役割があるとされています。

<東洋医学的な臓器の働きのひとつ>

肝⇒ 疏泄を主る(気の巡りを調節する) 蔵血を主る(血液を貯蔵し血量を調節する) 

心⇒ 神志を主る(精神・意識を安定させる) 血脈を主る(身体に血液を送る)

腎⇒ 水を主る(体液の循環や汗、尿など調節する)納気を主る(呼吸の吸気を強める)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、五行論における「感情の5種類」は、「五志(ごし)」と呼ばれ、それぞれ五臓に対応しています。

○肝 - 怒

○心 - 喜

○脾 - 思

○肺 - 憂・悲

○腎 - 恐・驚                                                                                                                           

「怒り」の感情は特に「肝」に大きな影響を与え、「恐怖」の感情は「腎」の働きに影響を与えます。

「喜び」の感情も過度になると「心」に悪影響がでてしまうのです。

例えば マンガなどで、イライラしたり、腹の立つことが続くと顔を真っ赤にして頭から湯気や煙がでている場面がありますよね。

「怒り」や「イライラ」で「肝」がダメージを受けると「気」の巡りが滞り上半身に集まってしまい、全身に巡らない状態になります。

 

また過度な「恐怖」や「驚き」を感じるとおしっこを漏らすことがあります。

これも尿などの排泄をつかさどる「腎」がダメージを受けるので、失禁してしまうということです。

 

そして、これらの感情の波が大きくなりすぎてしまうと「五臓」それぞれがダメージを受け、「気・血・水」の流れが滞ったり、弱くなったりして心身に様々な不調が起こってきます。

東洋医学では「心身一如」という言葉があります。

心と身体はひとつであるという考え方。

心(感情)と身体は密接に関っているのですね。

 

嬉しい報告♪♪

 

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は嬉しい報告を頂きました。

<Kさん (38歳主婦)>

・症状 毎日おこる頭痛・めまい

☆ 頭痛薬を全く飲まずに過ごせるようになりました!

 

<Tさん (35歳主婦)>

・症状 長年の頭痛

☆ 頭痛薬を飲む回数がすごく減りました!

 

お二人とも30代の主婦の方ですが、共通点はほぼ毎日頭痛薬を飲んでいるということで、頭痛薬を飲まずに生活できるようになりたいという強い思いがありました。

ちょっとびっくりするかもしれませんが、毎日服用されていたんです、毎日・・・

私もそうでしたが、”頭痛持ち”は毎日当たり前のように頭痛薬を飲んでしまうのです・・・

 

当院を受診され、それぞれ5回~6回ほど鍼灸治療を受けて頂きましたが、頭痛薬を飲む回数が劇的に減りました。

現在Tさんは頭痛薬の服用が2週間の1回程度に減り、Kさんはもう全く頭痛薬を飲まずに生活できるようになりました。

お二人とも、「頭痛薬で痛みを取っても何かすっきりとしない重い感じがあるけど、鍼治療を受けるようになって今はすっきりとした清々しい感覚があります。薬を飲まずに生活できることが何よりも嬉しい」とおっしゃっています。

あらためて鍼はやっぱり頭痛に効果があると実感しました!

もしあなたが慢性的な頭痛で頭痛薬を手放すことができないのなら是非鍼灸治療を受けてみてくださいね。

自律神経失調症はうつ病のはじまり?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は松阪は朝から大雨です。

夕方からは台風が上陸する予報となっていますので、万全の準備をして備えます。

皆さんもくれぐれも注意してくださいね。

 

さて、今日は自律神経失調症とうつ病の関係についてお伝えします。

よく「自律神経失調症はうつ病の始まり」と言われたりすることがありますが、実際にはどんな関係があるのでしょうか?

「自律神経失調症」は頭痛、動悸、めまい、耳鳴り、不眠など主に身体的な症状が目立ち、「うつ病」は「抑うつ」や「意欲の低下」といった精神的な症状が特徴的です。

発症の要因は

○自律神経失調症→過度なストレスによる交感神経と副交感神経のバランスの乱れ

○うつ病→BDNF(脳由来神経栄養因子)が減少し、脳内の神経細胞の新生が抑制されることで、神経細胞から作られるセロトニンやドーパミンなどの「モノアミン」という神経伝達物質の合成・分泌が抑えられてしまうこと

と考えられています。

 

特徴的な症状や発症の要因は違いますが共通する症状も非常に多くあり、全く別物かというとそうではありません。

自律神経の乱れから身体に様々な不調が起こり、自律神経のバランスがますます乱れていくとBDNF(脳由来神経栄養因子)が減少し脳内の神経伝達物質の分泌が不足する可能性は非常に高くなります。

ということは自律神経失調症をきちんと治療せず悪化させてしまうと、うつ病に発展していく可能性も高まるということになります。

 

個人的には、“自律神経失調症はうつ病の始まりというか入口”と考えています。

例えば“風邪”を引いてもすぐに適切な治療や養生をすれば必ず回復しますが、放置してこじらせてしまうと“肺炎”など重い病気になってしまいます。

同様に自律神経失調症もきちんと治療ししっかりと養生すれば必ず回復しますが、放置して悪化させてしまうと“うつ病”になる可能性が高くなるということです。

 

もし2週間以上「このところ何か体調がすぐれないなぁ」と感じているなら、決して放置せずにきちんと対処することを是非心掛けてくださいね。

そんな時に鍼灸はいいですよ。

うつ病に”鍼灸”という選択

こんにちは、「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日はうつ病と鍼灸治療についてお伝えします。

現在のうつ病治療は当然ながら薬物治療が中心となっています。そしてその薬はこのブログでもお伝えしてきたとおり「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の脳内の濃度を高める作用の強い薬を処方することが一般的となっています。「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」、「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」

しかし、ほとんどの精神科のドクターは薬物だけの治療では限界があると考えておられ、薬物治療に他の治療をプラスした統合医療の重要性を訴えられています。

例えばカウンセリングなどの心理療法や認知行動療法、運動療法、音楽療法やヨガ、瞑想など様々な角度からアプローチすることで、うつ病からの早期回復と社会復帰、そして再発率の低下を実現しています。

そんな中鍼灸治療も大きな役割を果たしつつあり、海外では一定の評価と認知をされてきています。

(鍼灸ニュースより引用)

【うつ症状に鍼灸が効くというアメリカの研究】

鍼灸治療によるうつ病の改善事例はたくさんあり、個人的には減薬や断薬をしていく過程においては鍼灸は非常に有効な治療のひとつであると確信しています。

 

うつ病を発症すると精神的にも肉体的にもつらく、何よりも日常生活に大きな支障がでてしまいます。

うつ病に対して、「薬物療法と鍼灸治療の組み合わせ」が広く浸透し、ごく一般的に選択されるようになってほしいと願っています。

薬物に依存することなく、自分自身の力で不調から回復していくことこそが本来の姿であり、鍼灸はその一翼を担うことができると考えています。

そのために鍼灸師のひとりとしてこれからも勉強と努力を怠らないよう頑張っていきたいと思っています。

腸内環境と鍼灸治療

こんにちは、松阪市の「自律神経と女性ホルモンのバランスを整える鍼灸院」

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

ブログの読者さんから「鍼灸治療は腸内環境を整える効果があるのでしょうか?」という質問を頂きました。

鍼灸治療によって腸内環境が整うという科学的な証明(腸内細菌の善玉菌と悪玉菌の割合が治療前と治療後で変化する等の証明)は私の知る限りありません。

しかし、過敏性腸症候群(検査で異常がないにも関らず、ストレスによって下痢や便秘の症状が続く病気で心身症のひとつに分類される)に対して鍼灸治療が有効であるという報告は多くあります。

(鍼灸ニュースより引用)

過敏性腸症候群に鍼灸が効果というデータ

当院でも便秘や下痢に対しての改善例は多くありますので、鍼灸治療は腸内環境を整えていく効果はあると考えています。

 

当院では、便秘や下痢に対しては腸の動きを適正化していくこととストレスを軽減し自律神経のバランスを整えていくことに重点を置いています。

過敏性腸症候群ではありませんが、当院での最近の患者さんの改善事例をご紹介します。

<Aさん(42歳 女性)>

症状(2年前から)

・車の運転時(特に信号待ち)の強い不安感・動悸・手汗

・ふわふわとしためまい

・首のこり、頭重感、

・緊張時の下痢、脚のむくみ、

・雨の前の様々な心身の不調等

Aさんは自律神経症状のひとつとして下痢があったと思いますが、腸に対するアプローチと自律神経の調整を目的とした鍼灸治療を行っていきました。

2ヶ月、8回受診して頂いた後の問診時で、

・手汗をかかなくなった

・ふわふわとしためまいを感じなくなった

・車の運転時の不安感がとても軽くなり、動悸がしなくなった

・ほとんど下痢をすることがなくなった

・雨の前~雨でも憂鬱感や不安感が楽になり、首こりや頭重感をほとんど感じなくなった

という状態になってきました。

不安感や抑うつ感が凄く軽くなったこと、手汗や下痢が解消されたことは

・緊張などの”ストレス”に対して強くなってきた

・腸の状態が改善されてきた

からではないかと考えています。

このブログでお伝えしたとおり、

・脳のストレスが緩和すると、腸の調子がよくなる

・腸の状態がよくなると、精神的に安定する

という”脳腸相関”が鍼灸治療によっていい方向に働いたと考えています。

まだまだ科学的に証明されていないことが多い鍼灸ですが、「病院で検査を受けてどこも異常がないのに、つらい症状はずっと続いている」という場合は思い切って鍼灸治療を受けてみてくださいね。

心にもからだにもアプローチできる治療ですから・・・

 

素朴な疑問 ”鍼灸はどんな効果があるのですか?”

こんにちは、松阪市の自律神経と女性ホルモンのバランスを整える鍼灸院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

このところ雨が降りませんね。

もう梅雨明けのような暑さで、朝のウォーキングも清々しさよりも暑さを感じます。

 

さて、今日は鍼灸の素朴な疑問シリーズの3回目、「鍼はどんな効果があるんですか?」についてお伝えします。

 

日本の鍼灸の受療率(鍼灸治療を受けたことがある率)は6%~10%と言われています。

つまり、日本人の100人に6~10人くらいしか鍼灸治療を受けたことがないということになります。

鍼灸師にとって本当に寂しいことです・・・

当院に初めて来院される患者さんも実に90%は「今まで一度も鍼治療を受けたことがありません。」とおっしゃいます。

 

なので、「鍼灸治療はどんな効果があるのですか?」と聞かれることが多々あります。

このブログでも何回かお伝えしていますが、鍼灸治療で科学的に証明されていることがあります。

1.「エンドルフィン」というモルヒネのような脳内鎮痛物質が分泌される。

→ 痛みを緩和する効果!

2.こり固まった筋肉に鍼を刺すことで周辺の筋肉内に血液が集まる。

→ こりを和らげ、血流を改善する効果!

3.鍼や灸をすることで患部周辺の白血球が増加する

→ 免疫力を高める効果!

4.オキシトシン、セロトニンの分泌が高まる

→ 自律神経(交感神経と副交感神経)を整える効果!

 不安感や抑うつ気分を和らげ、精神的な安定を図る効果!

これらは科学的に証明されている事実なのです。

 

そして世界保健機構(WHO)は多くの疾患について鍼灸治療の適応症として認めています。

主な適応疾患は以下のとおりです。

Ⅰ.運動器疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・腰痛・外傷の後遺症(骨折・打撲・むちうち・捻挫)・腱しょう炎等

Ⅱ.呼吸器疾患

急性気管支炎・気管支喘息・風邪等

Ⅲ.眼科疾患

急性結膜炎・中心性網膜炎・近視・白内障

Ⅳ.神経系疾患

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・パニック障害・頭痛・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

Ⅴ.消化器系疾患

胃炎・下痢・便秘・胆のう炎・肝機能障害・十二指腸潰瘍等

Ⅵ.循環器系疾患

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ等

Ⅶ.代謝内分泌系疾患

バセドウ病・糖尿病・痛風・貧血・膀胱炎・尿道炎・ED等

Ⅷ.婦人科疾患

更年期障害・生理痛・月経不順・冷え性・白帯下・不妊等

Ⅸ.耳鼻咽喉科疾患

中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエール病・鼻炎・蓄膿症・扁桃炎等

Ⅹ.小児科疾患

夜泣き・かんむし・夜尿・小児喘息・アレルギー性湿疹等

 

日本では鍼灸治療はお年寄りの肩こりや腰痛の緩和というイメージが強いかもしれませんが、世界的には幅広い疾患に広く取り入れられている治療となっています。

病院などの薬を続けても症状が変わらないような慢性的な症状は体質を改善していくことで良くなっていくことが多くあります。

鍼灸治療はあなた自身の”治る力”(自然治癒力)を目覚めさせることで、根本的に健康な身体に回復していくことを目的とした安心・安全な治療法なのです。

鍼灸が日本人にとってもっともっと身近な存在になれるよう、鍼灸師のひとりとしてこれからも頑張っていきたいと思います。