東洋医学からみた更年期障害

“ゆらぎ期の女性”の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は東洋医学から見た更年期障害についてお伝えします。

テレビのCM等でご存知の方も多いと思いますが、東洋医学では女性の身体の変化の節目を7の倍数で考えていきます。(男性は8の倍数)

 

中国最古の医学書と呼ばれている「黄帝内経」という書物には女性の身体の変化についてこんな意味のことが書かれています。

7歳 :歯が生え変わり、髪が長くなる

14歳:月経がはじまり、子供を産めるようになる

21歳:体が成熟し、背丈も伸びきる

28歳:髪の長さが極まり、筋骨がしっかりし身体が盛んになる

35歳:顔の色艶にかげりが出て、髪も抜け始まる

42歳:肌のつやが悪くなり、髪に白いものが混じり始める

49歳:身体が衰え、閉経を迎え子供はできなくなる(任脉虚、太衝脉衰少、天癸竭、地道不通。故形壊而無子也。)

 

49歳のところに「天癸」という言葉がでてきます。

天癸とは、成長や発育、月経、生殖機能を維持・促進させていくエネルギーであり、“腎気”(腎精)によって作られます。

女性は49歳頃にその天癸が尽きることで閉経を迎えるという意味です。

 

つい100年前でも平均寿命は50歳にも達していませんでしたので、60歳、70歳まで生きる女性の絶対数は少なかったと思います。

そんな時代には更年期や更年期障害という概念すらありませんでしたが、その年齢の時期のおこった様々な心身の不調に対して漢方薬や鍼灸が使われてきました。

 

更年期障害は、西洋医学的にはエストロゲンの分泌低下が主な原因ですが、東洋医学的には「腎」機能の低下(腎気の衰え)が要因であると考えていきます。

東洋医学では、更年期障害はこの「腎の機能低下」をいかに穏やかにしていくかということが根底にあります。

 

従って、当院でも更年期障害といわれる様々な症状の治療においては個別の症状は追わず、「腎」へのアプローチをメインにした治療を組み立てていきます。

 

そして、鍼灸治療には漢方と同様に多くのメリットがあります。

1.誰にでも使える(使ってはいけない人(禁忌))がない

2.使用時期(年齢・月経の有無)に制限がない

3.HRT(ホルモン補充療法)や漢方、サプリメントと併用できる

4.漢方との併用で相乗効果が期待できる

5.原因がはっきりしない様々な症状(不定愁訴)に強い

6.副作用がない

 

鍼灸治療で、更年期を迎えた女性のエストロゲンの分泌が増えることはないと思います。また副作用はありませんが、HRTほどの即効性はないと思います。

しかし、卵巣機能の急激な衰えによる心身の不調に対して、心とからだを穏やかに対応させていく効果は非常に優れていると思います。

 

5年後のあなたの健康のために、どうぞ安心して鍼灸治療を受けてみてくださいね。

骨密度の低下を防ぐ睡眠

 

”ゆらぎ期の女性”の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

今朝は寒かったですね。もう真冬かと思いました。

背中を丸め、うつむき加減で歩いている人が多かったですが、こんな時こそ胸を張って、上を向いて歩きましょうね。

 

さて、今日は骨密度の低下を防ぐ睡眠についてお伝えします。

更年期以降の骨密度の低下を防ぐには睡眠もとても重要となります。

質のよい睡眠からは、骨にとってとても大切な2つのホルモンが分泌されるのです。

1.メラトニン ⇒ 骨を壊す細胞である「破骨細胞」の働きを抑制する

2.成長ホルモン ⇒ 骨密度を高める

 

前回の「運動」のブログでもお伝えしましたが、メラトニンには破骨細胞という骨を壊す細胞の働きを抑える作用があり、朝にしっかり太陽光を浴びることでメラトニンの分泌は高まります。

成長ホルモンは骨や筋肉、肌などの修復や強化、新陳代謝の促進などの働きがあります。そして、成長ホルモンは22時~2時頃に最も分泌するといわれています。

つまり、朝にしっかりと太陽光を浴びて、午後11時頃には就寝し、6時~7時くらいに起きるという睡眠の習慣を身につけると骨密度の低下を穏やかにすることができるということです。

 

女性は50歳くらいから急激に骨密度が低下していきます。これは女性である限り避けては通れません。

しかし、この骨密度の低下を緩やかにすることはできるのです。

将来の骨粗鬆症のリスクを減らしていくためにも、食事・運動・睡眠という生活習慣をもう一度見直してみませんか?

骨密度の低下を防ぐ運動

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日は骨密度の低下を防ぐ運動についてお伝えします。

骨密度を低下を防ぐには

1.ウォーキング(1週間に4時間のウォーキング)

2.筋トレ (まずはスクワットから)

を継続することが理想です。

運動で骨密度の低下を防ぐポイントは骨に適度な刺激が伝わることです。

ウォーキングなどの運動を行うと、骨に微量の電流が流れ骨密度を上がることに繋がるといわれています。

骨に刺激を入れるためには水泳などの重力がかからない運動よりも負荷のかかりやすいウォーキングや筋トレがいいでしょう。

筋肉への負荷が骨にも伝わり、筋トレによって筋肉が修復されて強くなるのと同じメカニズムで骨も強化されていくのです。

どうしても時間が取れないという方は「孫の手などでかかとを叩く」だけでもしっかりと骨に刺激が伝わるといわれています。

3.日光浴

骨の強化に必要なカルシウムはビタミンDによって吸収率が上がります。

太陽光を浴びることでビタミンDが生成されますので、日焼けなどの心配はありますが、1日30分程度太陽光を浴びることは非常に大切です。

また、骨を壊す細胞である破骨細胞の働きを抑制するのに効果的なのが睡眠ホルモンの「メラトニン」です。

メラトニンは太陽光を浴びてから14~16時間後に分泌されるといわれていますので、朝にしっかりと太陽光を浴びるとメラトニンの分泌が高まります。

<まとめ>

更年期以降の骨密度の低下を防ぐには

朝7時~9時くらいに朝日を浴びながら毎日30分程度ウォーキングをすることが重要となります。

「筋トレ」や「かかとたたき」を組み合わせながら継続してやってみてください。

なかなか朝は忙しくて時間はとれないでしょうし、結果はすぐに目に見えて出るわけではありません。

でも5年後、10年後の身体のことを考えて是非少しづつ取り入れてやってみてくださいね。

継続は力なり ですよ。

 

 

 

骨密度の低下を防ぐ食事

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日は骨密度の低下を防ぐ食事についてお伝えします。

恥ずかしながら私は鍼灸の専門学校に入るまで骨といえばカルシウムでできていると思っていました。

しかし、骨はカルシウムだけでできているわけではないということを知りました。

<骨の成分>

・水 ⇒ 10~20%

・タンパク質(コラーゲンなど)⇒ 20~25%

・ミネラル(カルシウム・リン・マグネシウムなど) ⇒ 60~65%

簡単にいうと、水を除くと骨はカルシウムなどのミネラルとコラーゲン線維でできているということになります。

 

 

 

<必要な栄養素>

1.カルシウム (乳製品・大豆製品・小魚など)

2.マグネシウム (アーモンド・ひじき・サツマイモなど)

3.ビタミンD (鮭・サンマ・しめじ・干ししいたけなど)

4.ビタミンK (ホウレンソウ・ブロッコリーなど)

5.タンパク質・コラーゲン (肉類・魚など)

コラーゲン??

コラーゲンというと美肌など美容に重要な成分というイメージがありますが、骨密度・骨量においても非常に重要な成分です。

コラーゲンは骨の強度を支え、骨の細胞の活性化に重要な役割を持っています。

フカヒレやスッポンなどの高級食材というイメージがありますが、とんこつラーメンのスープや手羽先、鶏皮、ゼリーなどでも摂取できます。

また、マグネシウムやビタミンD、ビタミンKはカルシウムの吸収やカルシウムを骨に定着させるために重要な働きをします。

そしてカルシウムはリンと結合しリン酸カルシウムとして歯や骨をつくります。カルシウムとリンは一緒に摂取することでお互いの吸収を高めます。 

カルシウムとリンを1:1の割合で摂取するとカルシウムの吸収がよくなります。

しかし、リンを多く取り過ぎてしまうとカルシウムは吸収されにくくなるだけでなく、骨からも放出されるようになり、骨密度を低下させてしまいます。

 

問題はリンはインスタント食品やスナック菓子など加工食品に多く含まれているため、過剰摂取になりやすいということです。

現代の食生活ではカルシウム不足とリンの取り過ぎになりやすい傾向にあります。

結局のところ、偏食をせず、好き嫌いなく色々な食材を食べるということが大切だということですね。

この時期からは肉や魚、野菜と色々な食材を一緒に食べれるお鍋料理がいいですね。

家族や友人とワイワイ・ガヤガヤ、笑顔いっぱいでお鍋を囲むとさらに効果が上がるかもしれませんよ。

 

それでも気になる方にはサプリメントで補うという方法もいいと思います。

ただ、それも過剰摂取にならないように注意してくださいね。

 

次回は骨密度を高める運動についてお伝えします。

45歳以降の骨密度の低下を防ぐ方法とは?

“ゆらぎ期の女性”の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

前回のブログで、更年期以降の女性はエストロゲンの分泌低下によって骨密度が低下しやすいカラダになり、骨粗鬆症のリスクが高まるとお伝えしました。

しかし、更年期以降に骨密度を上げていくことは難しいですので、いかに骨密度の低下を緩やかにしていくかが重要となってきます。

 

骨密度の低下を予防するためには規則正しい生活習慣に変えていく必要があります。

1.食事

2.運動

3.睡眠

「なんだ、そんなことか」と思われた方も多いかもしれません。

しかし、「食事」・「運動」・「睡眠」に注意し生活習慣を改善することは骨密度の低下を防ぐ上で非常に重要になってきます。

 

あなたが骨粗鬆症になりやすい生活習慣かどうか一度チェックしてみて下さい。

・牛乳やヨーグルトなどの乳製品をあまりとらない           はい・いいえ

・納豆や豆腐などの大豆製品をあまりとらない             はい・いいえ

・スナック菓子などをよく食べる                   はい・いいえ

・タバコを吸う                           はい・いいえ

・お酒をよく飲む、ほぼ毎日飲む                   はい・いいえ

・運動をあまりしない、日常生活で身体を動かすことが少ない      はい・いいえ

・糖尿病や胃・腸の手術を受けたことがある              はい・いいえ

・母親や祖母などに骨粗鬆症の人がいる                はい・いいえ

・ステロイド剤を服用している                    はい・いいえ

・偏食が多い、無理なダイエット(食事制限)をしている        はい・いいえ

・睡眠時間が少ない(1日6時間未満)                はい・いいえ

・ストレスを感じることが多い                    はい・いいえ

・閉経を迎えた                           はい・いいえ

 

上記のチェック表は公的な期間のものではありませんが、「はい」の数が多いほど骨粗鬆症になるリスクが高いといえます。

更年期以降の健康や美容は何もせずに手に入れるということは残念ながらできません。

少しの意識付けや努力を毎日継続していくこと以外にないのです。

そしてその努力は骨密度の低下を防ぐということだけでなく生活習慣病をはじめとする様々な病気の予防やアンチエイジングにつながっていきます。

次回は骨密度の低下を防ぐ食事についてお伝えします。

 

エストロゲンと骨密度の関係

”ゆらぎ期の女性”の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日はエストロゲンと骨密度の関係について」お伝えします。

更年期、特に閉経後の女性にとって大きなリスクのひとつに「骨粗鬆症」(こつそしょうしょう)があります。

骨粗鬆症とは、骨の密度が低下して骨の中がスカスカになってもろくなりちょっとしたことで骨折しやすくなる病気です。

骨粗鬆症になる人の割合は年齢が高くなるほど上がります。

☆ 50歳代女性 9人に1人

☆ 60歳代女性 3人に1人

☆ 70歳代女性 2人に1人

といわれており、高齢者だけの病気ではないのです。

 

私は骨は変化しないようなイメージがあったのですが、実は骨も髪や肌と同じように常に生まれ変わっています。

古い骨を破壊する「破骨細胞」と新しい骨を作る「骨芽細胞」という細胞がバランスを取り合って新陳代謝を繰り返しながら新しい骨に生まれ変わっていきます。

そしてその「骨の新陳代謝」にとって女性ホルモンのエストロゲンが大きく関わっています。

エストロゲンが減ると「破骨細胞」の働きが盛んになり、骨を作る働きの「骨芽細胞」の働きが追い付いていかなくなり、骨量が減りスポンジのようなスカスカになっていくことで骨折のリスクが高まります。

50歳以降の男女の骨密度の平均的な低下率は

男性→1年に1%程度減少していく

女性→1年に2%程度減少していく       

 といわれています。

女性はなんと男性の2倍の速さで骨密度が低下していくのです!!

圧倒的に女性に骨粗鬆症が多いというのも納得ですね。

骨密度の測定はいくつかの検査がありますが、その測定結果の基準指標として「YAM」という数値を指標にします。(20~44歳までの健康女性の骨密度の平均値)

<YAMの基準表>

(YAMの数値の範囲)        (骨密度・骨量状態)

・90%以上              正常範囲・優良

・80%以上~90%未満        正常値

・70%以上~80%未満        危険信号・骨量不足

・70%未満               骨粗しょう症の可能性

 

先日 私と同年代の53歳の女性(Aさん)が来院されましたが、お話を聞く中で3年前に転倒して腕を骨折した時に「骨粗しょう症」と診断され現在も薬を服用しているそうです。(Aさんは46歳で閉経を迎えたとのことでした)

 

骨粗しょう症は更年期以降の女性にとってはとても身近な病気ですので、定期的に骨密度の検査も是非受けるようにしてくださいね。

 

更年期におすすめサプリ ”エクオール”

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

更年期の症状はそれほどひどくはないけど、なんだか調子悪いとか、これからのことが心配という理由でサプリメントや健康食品を試されている方も多いと思います。

命の母とかルビーナ、高麗美人、養命酒など我々男性でも聞いたことがある商品がたくさんあります。

その中でも今注目されているのは多くの婦人科医も推奨されている「エクオール」

 

ご存知の方も多いと思いますが、納豆や豆腐など大豆製品に含まれている「大豆イソフラボン」という成分は女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするといわれています。

実際には大豆イソフラボンが腸内細菌によって「エクオール」という成分に変換されることで「エストロゲン」に似た働きをするのです。

エクオールには多くの働きがありますが、ゆらぎ世代の女性の健康維持にとって嬉しいことがあります。

<エクオールの4つの効果>

1.更年期のつらい症状を和らげる効果(ホットフラッシュ、頭痛、めまい、不眠・不安感、肩こりなど)
2.動脈硬化や高血圧、脂質異常などメタボリックシンドロームの予防効果。

3.骨粗しょう症の予防と改善の効果(骨密度の減少を抑える)
4.シミの改善や美白等肌への作用(からだの酸化防止効果)

 

ただ、残念なことに一生懸命大豆製品を食べて、大豆イソフラボンを摂取してもエクオールに変換できる方は2人にひとり、つまり50%の方はエクオールに変換できないのです。

 

では、エクオールを作れない人はどうすればいいのか?

このエクオールはサプリメントとして補うことができます。

多くのメーカーからエクオールを含んだ商品が販売されています。

どの商品がいいとか悪いとかの評価は私にはできませんが、個人的には大手メーカーの大塚製薬さんの「エクエル」という商品をお勧めしています。

数年前にエクオールという成分のことで少し疑問な点があり、失礼ながら大塚製薬さんに直接問い合わせをしたことがありました。

そうしたら、なんとエクエルの担当者さんがわざわざ当院まで来院頂き丁寧に説明をして頂きました。

なんの取引関係もない、田舎の鍼灸院まで。

そんなご縁もあり、エクオールのサプリメントについて患者さんから質問があった時には「エクエル」をお勧めしております。

(エクエルは通販、もしくは一部の婦人科、調剤薬局のみでの販売だそうで当院での販売もしておりません)

 

当院では鍼灸治療に加え、漢方やこの「エクエル」の服用での相乗効果についてもご提案をさせて頂いています。

あくまで「エクオール含有食品」ですので、薬のような副作用がないのが大きな魅力だと思います。

1年後・3年後・5年後も健康で美しくいたいという方はエクエルの服用も検討してみてはいかがでしょうか?

 

更年期障害に処方される代表的な3つの漢方薬

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害によく使われる代表的な3つの漢方薬についてお伝えします。

前回 当院に来院されている患者さんの40%ほどの方が漢方を飲んでいるとお伝えしました。

しかし、「何を飲まれていますか?」とお聞きすると、「名前はちょっとわからない」とお答えになる方が結構多くいらっしゃいます。

ところが、「何番ですか?」とお聞きするとすんなりとお答えできる方が多いなと感じています。

ご存知の方も多いと思いますが、病院で処方される漢方薬には番号がついています。

これは漢方薬の名前が難しく覚えにくいために、ミスがおこらないように番号管理するようになったといわれています。

またメーカーによって番号が違うとさらに混乱してしまうので、基本的に病院で処方される漢方薬の番号は各社共通となっています。

更年期障害の様々な症状に対しては以下の3つが代表的な漢方薬として処方されています。

①当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん No23)

体力が虚弱で、冷え症、むくみ、貧血傾向、疲れやすい方

②加味逍遥散(かみしょうようさん No24)

体力が中等度以下で、のぼせ感、肩こり、疲れやすい、精神不安、イライラ、不眠などがある方

③桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん No25)

比較的体力があり、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足が冷えるなどの症状のある方

 

「23番・24番・25番は更年期障害」 覚えやすいですね。

 

また、以下の漢方薬も比較的多く処方されています。

☆五積散(ごしゃくさん No63) - 体力中等度で冷えがある

☆温経湯(うんけいとう No106) - 体力中等度以下で、手足がほてり、唇がかわく、不眠など

☆温清飲(うんせいいん No57) - 体力中等度で、皮膚がかさかさして色つやがわるい、のぼせ

 

いずれも同じような症状のようですが、東洋医学の場合はその方の体質や体格、症状の現れ方、生活習慣など考慮し、「証」というものを立てていきます。(鍼灸の場合も同様に証を立てて、使うツボを決めていきます)

「証」とは簡単にいうと西洋医学の「診断」や「初見」ということです。

西洋医学の場合は、診断名が決まれば処方する薬もほぼ決まっていますが東洋医学の場合は同じような症状でも「証」によって漢方薬が変わります。

そして漢方薬はその人にぴったりと合う場合となかなか改善がみられない場合があります。症状の改善がみられない場合も比較的多いため他の漢方薬に変えたりしながら最適の漢方薬を探っていくこともあります。

1週間服用して症状が全く変わらなければ、漢方が合っていない可能性がありますので、遠慮せずにお医者さんに相談してください。

 

そして漢方を処方されたら、「私の証はなんですか?」と聞いてみることをお勧めします。

しっかりと説明してくれたら、東洋医学にも詳しいドクターだとわかりますよ。

 

 

 

 

更年期障害と漢方

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害と漢方の治療についてお伝えします。

当院にご来院頂いている患者さんは30代後半~50代前半のいわゆる“ゆらぎ期の女性”が多いのですが、その中のおよそ40%くらいの方が漢方を服用されています。

そして、その割合は自分のイメージよりもはるかに多いと感じています。

 

お聞きすると

・最初はHRT(ホルモン補充療法)をやっていたが、吐き気や食欲不振などの副作用がきつかったのでやめて漢方にかえてもらった

・婦人科医から漢方をすすめられた

・HRTは直接ホルモンを補充するので身体にとって不自然なイメージがあり漢方を選んだ

などのお答えを頂きました。

 

漢方はからだにやさしく、おだやかに効いていくようなイメージがあると思いますが実際のところはどうでしょうか?

<漢方のメリット>

1.誰にでも使える(使ってはいけない人(禁忌))がない

2.使用時期(年齢・月経の有無)に制限がない

3.HRTと併用できる

4.原因がはっきりしない様々な症状(不定愁訴)に強い

5.HRTに比べると副作用が少ない(ゼロではありません)

 

<漢方のデメリット>

1.エストロゲンの不足が直接関係している症状(膣の乾燥感・性交痛など)にはあまり効果がない

2.ホットフラッシュの効果はHRTに劣る

3..効果の発現がHRTに比べると穏やかである

 

漢方はHRTに比べ「使いやすい」ことが最も大きな特徴です。

体質に合わせて漢方の種類を選びますので、乳がんや肝機能障害の既往歴があってもよほどのことがないかぎりどんな方でも使えます。

また、HRTとの併用もできることも大きなメリットといえます。

HRTで短期的に症状を軽減し、その後は漢方で体質を改善させていくといった治療も行うことができます。

 

婦人科のドクターは漢方も積極的にお使いになる先生が多く、保険適用の場合が多いですので、色々なお悩みをしっかりと相談しながらあなたにあった最善の治療法を選択していってくださいね。

低用量ピルとHRTの違いは?

ゆらぎ期の女性の心とからだの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日は低用量ピルとHRT(ホルモン補充療法)との違いについてお伝えします。

20代、30代から低用量ピルを使用されている方も多いかと思います。
低用量ピルは毎月の女性ホルモンの変動をなだらかにし生理周期を安定させることで

 ・ひどい生理痛
・月経前症候群(PMS)
・子宮内膜の増殖をおさえる(子宮内膜症の予防)
・排卵をおさえる(避妊薬として使用)

 などの治療薬として使われています。

低用量ピルはエストロゲンと黄体ホルモンの混合剤ですので、ホルモン補充目的で使用することも可能です。

<ピルとHRTの違いは?>

低用量ピルとHRTとの大きな違いは含まれているエストロゲン量です。
低用量ピルはエストロゲン量がHRTの5倍前後あり、卵巣機能が急激に衰えてきた更年期世代の女性には多すぎると考えられています。

HRTは必要最低限のホルモン補充をすることで急激な卵巣機能の低下をゆるやかにして、身体を閉経後のホルモン環境に適合させていくサポートをする治療です。

したがって多量のエストロゲン補充は逆にからだに負担をかけてしまい、乳がんや血栓症のリスクを高める可能性があります。

 特に40歳以上の喫煙者が服用すると血栓症のリスクが非常に高くなるといわれています。

 

<低用量ピルはいつまで続けていいの?>

 30代前半くらいから低用量ピルを飲み続けている方は、ホルモン値を検査するなど今の卵巣機能の状態を把握し、専門医と相談しながら低用量ピルからHRTに切り替えていく必要があります。
 
初めての方の場合は、30代半ばくらいからの”プレ更年期”の時期はまだ卵巣機能が著しく低下していないことが多く、頭痛、めまい、のぼせ、寝汗などの自律神経症状はホルモンバランスの乱れが要因の可能性が高いため低用量ピルを勧める専門医が多いようです。

 一般的には、低用量ピルの使用は45歳くらいまで、45歳以上になったらHRTを選択することが望ましいといわれています。

ホルモン補充療法(の副作用とリスク

ゆらぎ女性の心とカラダの不調を癒す専門院 ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日はHRT(ホルモン補充療法)のリスクについてお伝えします。

 

HRTの治療開始の初期には

・乳房のはり

・下腹部の痛み

・おりものの増加

              ・吐き気、頭痛

など様々な副作用がおこる場合があります

 

またエストロゲン投与によって増殖した子宮内膜に対して、黄体ホルモン(プロゲステロン)を服用することで「消退出血」を起こさせるため閉経後でも生理のような「不正出血」を伴う場合が多くあります。

これらはは身体がHRTに慣れていないためにおこる症状で身体がなれてくるとおさまってくることが大半です。

しかし、症状には個人差があるので、気になる場合は必ず担当医に相談し、服用・使用するHRTの種類や量、頻度を調整するなどの指示を受けてください。

 

<HRTのリスク>

・肝臓への負担

飲み薬の場合、胃腸を経由し肝臓を通過するため肝機能に負担がかかる可能性があります。

肝機能に不安がある場合は飲み薬ではなく、貼り薬など肝臓を経由せずに血中に入るタイプを選択します。

・子宮ガン

上述のとおり、エストロゲン単剤での長期投与は子宮内膜を増殖させ、子宮体ガンのリスクが高まる可能性があります。

最近の研究ではHRTによって乳がんのリスクが高まることはないという報告があります。

<HRTができない又は注意が必要なケース>

・乳がんや子宮体ガンの治療中または既往歴がある

・心筋梗塞や動脈硬化の既往がある

・重度の肝機能障害がある

・原因不明の不正性器出血がある

・妊娠している可能性がある

これらに該当する場合はHRT治療は慎重に行う必要があります。

 

HRT治療を受けている割合は欧米では30%~40%に対し、日本ではわずか2%弱といわれています。

2%弱という数字はあまりに少なさすぎますよね。

HRTは更年期のつらい症状軽減には比較的即効性があり、症状が軽減することで生活の質が改善することが最大のメリットと考えています。

・仕事や家事などが普通のこなせる

・外出や人に合うことのためらいやおっくうさが消え、趣味や旅行などを楽しめる

HRT(ホルモン補充療法)は副作用やリスクを伴うことは事実ですが、婦人科の専門医とよく相談しながら治療を行っていけばかなり副作用やリスクは軽減できると思います。

今あまりにも症状の重い方、つらい方はHRT(ホルモン補充療法)を検討されてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

ホルモン補充療法(HRT)とは?

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日来院された患者さん(Aさん 50歳)は「人生2度目の25歳になったけど、2回目の25歳の身体はかなりガタがきてます・・・」と話されました。

素晴らしい表現ですよね、2度目の25歳!!

けど、2度目の25歳はかなりガタがきているんですか??

でも大丈夫ですよ、25歳ですから。

 

さて、今日はホルモン補充療法についてお伝えします。

<ホルモン補充療法(HRT)とは?>

閉経前後で卵巣機能が衰え、エストロゲンの急激な分泌の低下に対して、必要最低限のホルモンを補充する治療法で、ある程度即効性もあり更年期障害の治療では最も主流といわれています。

特に

☆ホットフラッシュ・発汗異常・動悸・息切れ

☆委縮性膣炎(膣粘膜が委縮し乾燥する)・性交痛・皮膚の乾燥やかゆみ

☆おりものの異常

などは比較的早く効果が実感できることが多いようです。

 

<注意点>

エストロゲンだけを補充していると、子宮からの出血などの副作用をともない、子宮体がんのリスクを高める可能性があるあるため、それを防ぐためにプロゲステロン(黄体ホルモン)を投与することが一般的となっています。

子宮を摘出しているかや症状、閉経時期、年齢などによって組み合わせていきます。

 

 

<HRTの種類>

HRTの種類は主に3種類あります。

 

1.飲み薬 - 胃腸から吸収され肝臓を通って血液中に入る

2.貼り薬 - おへその横や腰に貼る。皮膚から血液中に入る

3.塗り薬 - ジェル剤を塗ることで皮膚から血液中に入る

 

どのタイプのHRTを選択するかは検査の数値や症状の程度、年齢など様々な要因を考慮して専門医が提案してくれます。ご自身の希望と専門医の意見を十分に検討した上で決めて頂きたいと思います。

次回はHRTの副作用やリスクについてお伝えしていきます。

更年期障害の代表的な3つの治療法

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は更年期障害の治療法についてお伝えします。

更年期障害の治療法は大きくは3つの方法が主流となっています。

1.ホルモン補充療法(HRT)

2.漢方

3.抗うつ剤・抗不安薬とカウンセリングなど心理療法

HRTは服薬や注射などで直接女性ホルモンを補充していく方法であり、最も即効性があるといわれています。

漢方は女性ホルモンは増えませんが、エストロゲンの減少という身体の変化による自律神経症状を穏やかに緩和していきます。

また、特に抑うつ感や不安感、イライラなど精神的な症状が強い場合には抗うつ薬や抗不安薬、精神安定剤などが処方されます。

それぞれ専門医による診断と治療が行われ、基本的には保険適用となっています。

更年期障害の症状がでやすい期間は閉経の前後5年の計10年間くらいあるので一般的には治療期間は最低でも数年間となります。

最近ではエストロゲンに似た働きをする「エクオール」という成分のサプリメントも多く販売されており治療の選択肢のひとつとなってきています。

それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の希望も含めて専門医とよく相談してどの治療を選ぶかを決めていく必要があります。

 

 

 

次回は「ホルモン補充療法」についてお伝えしていきます。

 

更年期障害を評価する方法② 女性ホルモン値の検査

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は「女性ホルモン値の血液検査」についてお伝えします。

血液検査によって女性ホルモンの数値を測定することは、今の自分の女性ホルモンの状態がわかり今後の治療について大きな指標になります。

 

おさらいですが、女性ホルモンは脳から指令によって分泌されます。

1.視床下部というところから「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌される 

2.下垂体というところから「黄体形成ホルモン(LH)」と「卵胞刺激ホルモン(FSH)」が卵巣にむけて分泌される

3.卵巣から「エストロゲン」と「プロゲステロン」が分泌される

 

そして、更年期障害についての女性ホルモン値の検査は以下の3つの数値を調べることが一般的となっています。

1.エストラジオール(E2)

2.卵胞刺激ホルモン(FSH)

3.黄体形成ホルモン(LH)

 

 

☆エストラジオール(E2)検査

エストロゲンの主成分であるエストラジオールの濃度を測定することで、卵巣機能の状態や更年期・閉経の可能性などがわかります。

E2の数値が低いほど卵巣機能が低下していることが推測され、30代~40代前半では(月経周期が正常な時)E2の数値は70~200(pg/ml)程度ですが、閉経後は20(pg/ml)以下まで低下していきます。

そして50(pg/ml)以下になってくると更年期障害の症状がでやすいと考えられています。

ただし、月経がある場合は月経周期のどの時期に検査したかによって数値が変動しますので、他のホルモンの数値(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)も見る必要があります。

☆卵胞刺激ホルモン(FSH)検査

卵胞刺激ホルモンは脳の下垂体前葉という場所から分泌されるホルモンで、エストロゲンの分泌量が減るともっとエストロゲンを出させようとするため分泌量が増えます。一般的にはエストロゲンの分泌が低下し始める40代前半くらいから徐々に上がっていきます。

☆黄体形成ホルモン(LH)検査

黄体形成ホルモンとは、卵胞刺激ホルモン(FSH)と同様に脳の下垂体前葉という場所から分泌されるホルモンで排卵やプロゲステロンの分泌を促す働きをします。

 

エストロゲンの分泌量が低下すると黄体形成ホルモンの分泌量は増えるようになります。

つまり、卵巣の働きが低下しエストロゲンの分泌量が減ると卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌が増えるのです。

従ってE2の数値が低く、LH、FSHの数値が高くなることが更年期の大きな特徴であり、その数値がそれぞれの基準値を下回ったり、上回ったりしていれば更年期障害の疑いがあるということになります。

 

女性ホルモン値の血液検査にかかる費用は5,000円~10,000円程度ですので、更年期の症状がつらく、簡易更年期指数でも51点以上であれば是非一度きちんと検査を受けることをお勧めします。

 

 

 

 

更年期障害を評価する方法① 簡易更年期指数

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

女性って「もう歳なんで・・・」っていう言葉をよく使いますよね?

昨日ご来院頂いた患者さん(Kさん 32歳 女性)も会話の中で「もう歳なんで・・・」とおっしゃいました。

「32歳で歳なんですか?」とお聞きしましたら、「私昭和生まれなんで、平成の子から見たらもうおばさんですよ」ですって。

昭和といってもKさんは昭和60年生まれなので平成生まれみたいなものだと思いますが、何かが違うのでしょうね。

お笑い芸人の平野ノラさんのギャグは平成生まれの方達にはどう映るのでしょうか?

「しもしも~」とか「シーマ転がしてきた」とか「クロマティ」とか(笑)

私の青春時代はちょうどバブル全盛期でしたが、バブル期を謳歌してきた方々は今まさに更年期ど真ん中にいるんですね。

 

余談が長くなってしまいましたが、今日は簡易更年期指数(SMI)についてお伝えします。

簡易更年期指数(SMI)とは以下の表に基づいて自分で簡単に更年期の不調をチェックする方法で、10項目あり、それぞれを強弱で点数化していきます。

 

 

 

 

 

1.顔がほてる

10

6

3

0

2.汗をかきやすい

       

3.腰や手足が冷えやすい

       

4.息切れ、動悸がする

       

5.寝付きが悪いまたは眠りが浅い

       

6.怒りやすく、すぐにイライラする

       

7.くよくよしたり、憂うつになることがる

       

8.頭痛・めまい・吐き気がよくある

       

9.疲れやすい

       

10.肩こり・腰痛・手足の痛みがある

       

合計点

 

 

点数

結果

0~25点

異常なし

26~50点

食事・運動に注意

51~65点

婦人科(更年期・閉経外来)を受診すべき

66~80点

長期にわたる計画的な治療が必要

81点以上

各科の精密検査に基づいた長期の治療が必要

 

自己評価による合計点を診断の参考し、51点以上が治療の目安となります。

また、点数が51点以下でも特定の項目が「強い」と感じる場合は治療を検討した方がいいかもしれません。

そして、その症状が女性ホルモンの分泌の低下による更年期障害であるかを確定するためにも「女性ホルモン値」を測定することが望ましいと思います。

興味のある方は一度チェックしてみてくださいね。

 

次回は「女性ホルモン値」についてお伝えします。

更年期障害の2つの評価法

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日から11月、今年も2ヶ月となりました。

もう台風もこないでしょうから、しっかり“秋”を楽しみたいですね。

 

さて、今日は更年期障害の評価の方法についてお伝えします。

 

生理不順や頭痛・肩こり・めまい・ほてり・動悸・不眠・イライラ・不安感・抑うつ感・・・

これらの症状は更年期障害による症状なのか、その他の要因によるものなのかを理解することはとても大切です。

 

更年期障害に限らず、様々な症状について原因がわかることで気持ちが楽になり、治療に前向きになる患者さんが多いと感じています。

 

先日もめまいと動悸、ひどい倦怠感でお悩みの43歳の女性(Aさん)からこんなお話をお聞きしました。

「先週婦人科で女性ホルモンの数値を検査してもらったら、E2(エストロゲン)の分泌が少ないといわれ、この歳でもう更年期障害なのかとショックも受けたけど、原因がわかってなんだかホッとした」

そうなんですよね、自分の症状の原因がわかるとすごく安心しますよね。

 

更年期症状を引き起こす要素は以下の3つといわれています。

1.女性ホルモンの低下

2.性格・気質・気性(あまりに気まじめなタイプは危険)

3.家庭や仕事・人間関係などのストレス

女性ホルモンの分泌の低下は40歳を超えると避けられないことですが、実際には更年期障害の症状がほとんどない方もたくさんいらっしゃいます。

その他の要因をうまくコントロールできれば更年期の症状は日常生活に支障のないレベルでおさまることも多いということになります。

 

今の自分の症状が更年期障害なのかどうかを判別する方法が2つあります。

1.簡易更年期指数(SMI)― 10項目の症状の強さを4段階で数値化したもの

2.女性ホルモン値 - 血液検査による女性ホルモン値を測定

 

簡易更年期指数(SMI)で点数をチエェックし、SMIの点数も高く症状も強くて気になるようなら、女性ホルモンの数値を測定してもらうという順番になります。

この2つの数値とご自身の症状を合わせて客観的に判断し、今後の治療について検討していくという流れが一般的となっています。

 

それぞれの検査の詳細についてはまた後日紹介させて頂きます。

 

次回は簡易更年期指数(SMI)の詳細についてお伝えします。

更年期障害とセックスの関係

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今回は更年期障害とセックスとの関係についてお伝えします。

日本人は世界的にみてセックスレスの夫婦・カップルが多いそうですが、特に40代・50代の夫婦・カップルの半数以上はセックスレスといわれています。

そんな現状なので、「定期的にセックスの機会がある女性は更年期障害の症状が軽い」とか「セックスすると女性ホルモンの分泌が盛んになる」とかいわれたりしていますが、これは本当なのでしょうか?

これらはいわゆる“都市伝説”のようなもので科学的・医学的にきちんと証明されていることではありません。(少なくとも私はそのような医学的に証明されたものは知りません)

 

ただ、セックスによって心もカラダも満たされることで

☆“幸せホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」の分泌が高まる

☆感情や精神の安定に影響のある脳内神経伝達物質の「セロトニン」、「ドーパミン」の分泌が増える

ことは証明されてきています。

 

つまり、セックスによって幸福感や満足感を得られれば、脳は活性化され自律神経の働きもよくなり、結果として更年期障害の症状が緩和されることは十分に考えられます。

また、女性ホルモンの分泌の指令をだす脳の視床下部の働きが活性化されることで結果として女性ホルモンの分泌が調整されることもあり得ると思います。

 

ただし、イヤな気持ちでただ行為としてのセックスでは全く意味がありませんし、逆にストレスを感じてしまうことになってしまいます。ストレスを感じるようであれば、自律神経が乱れ更年期障害の症状を悪化させてしまう可能性もあるのです。

最も重要なことは「気持ち(心)が満たされている」ということ。

セックスという行為自体が重要ではなく、その行為による“こころの潤い”が大切なのです。

 

スキンシップで十分です。触れ合うことで心が満たされればオキシトシンの分泌は高まります。

ちなみに鍼灸はオキシトシンの分泌が高まることが証明されています。

 

なので・・・ ゆらぎはじめたあなたは是非鍼灸治療も受けて下さいね。

更年期の”冷えのぼせ”

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日も松阪は寒いです・・・

これから寒くなっていきますが、女性のお悩みでも“冷え”は特につらい症状ですよね。

そして更年期世代の女性に多いのが「冷えのぼせ」。

今日は「冷えのぼせ」についてお伝えします。

「冷えのぼせ」とは顔や頭など上半身は熱いのに、足先など下半身は冷えるという症状。

しかしこの「冷えのぼせ」は実は更年期障害の代表的な症状というよりは、20代や30代の女性にも多くある女性特有の症状といえます。

更年期世代の女性になると、「ホットフラッシュ」という症状が出る方が多いためこの「冷えのぼせ」の症状をより強く感じてしまうのかもしれません。

 

では、なぜ冷えとのぼせが同時におこるのでしょうか?

基本的に冷え症がより悪化したもので、身体の血流悪化と女性ホルモンバランスやストレスなどによる自律神経の乱れが大きな要因となります。

「冷えのぼせ」は東洋医学では「上熱下寒」と呼んでいます。

身体を栄養する「気・血」が上半身で滞り、熱を持つことで下半身まで循環しない状態です。

例えばお風呂を追いだきした時に上の方は熱くて、下は温まっていないということがありますが、まさに身体がそんな状態になっているということです。

お風呂の場合だと、そんな時はかき混ぜますよね。

鍼灸治療でも同様に冷えの改善とともに、滞った気血の流れを良くし下半身まで循環させることを主眼においた治療を行っていきます。

そして東洋医学的な更年期障害は基本的に「腎虚(腎の機能が低下している状態)」と考えていますので、「腎」の機能を高めることを積極的に行います。

(「腎」とは腎臓とは少し意味合いが違い、妊娠・月経など生殖機能、身体を温める機能や冷やす機能、、水分代謝の機能を司っています。)

 

また、「冷えのぼせ」はご自宅での日々のセルフケアも重要です。(冷えのぼせに限らずセルフケアは重要ですが・・・)

1.ストレスを発散できる趣味などを持つ

ストレスを溜めると「肝気」という気の流れが滞り全身の気血の流れを悪化させます。なかなか難しいことですがうまくストレスを発散できるようになれるといいですね。

2.できるだけ歩く(ふくらはぎを動かす)

ふくらはぎを動かすことで心臓に戻る血流をよくします。

3.“3つの首”(手首・足首・首)を温める

手首・足首・首を温めることは冷え症に有効です。特に首を温めることで全身の血流改善とともに、副交感神経の働きを高める効果もあります。

4.お灸

下半身のツボへのお灸。日2~3壮、市販のもので十分です)

以前にもご紹介しましたが、特にゆらぎ女子におすすめのツボは以下の2つ。

 

お灸三陰交 ☆三陰交

 内くるぶしのてっぺんから指4本分上。

 “血の巡り”を改善し、生理痛や生理不順など婦人科疾患に  有効です。

 

 

 ☆太谿

 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。

 足先の冷えやむくみなどに有効です。腎経のツボですので  ゆらぎ期の女性の“のぼせ冷え”に効果的です。

 

 

体質を改善していくことはなかなか時間のかかることですが、地道に継続していくことで大きな成果となってあらわれますので、楽しみながら続けてみてくださいね。

 

更年期の”お肌”のこと 

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とカラダのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は寒かったですね。

温熱マットが大好評でした。

ひかり堂は暖かいベッドで患者さんをお迎えしていますので、「冷たいベッドはイヤ!」という方も安心してお越し下さいませ。

 

さて、今日は更年期の“お肌”についてです。

当院の患者さんのお悩みの中でも非常に多いのが“お肌”のこと。

・シャワーを浴びた時、若い頃のように水がはじかない・・・

・乾燥肌になってきたみたいで特に季節の変わり目は脚や背中、腕がカサカサでかゆい

・顔のしわ・しみが増えてきた

・肌がくすんできた

・化粧のりが悪くなってきた・・・等々お話が止まりません。

男性はあまり気にならないことが、女性にとってはものすごく大きな変化で切実に“老い”を感じるんですね。

 

よくお肌の「4大エイジングサイン」(老化の兆候)は

1.しみ

2.しわ・たるみ

3.くすみ

4.乾燥(潤いがない)     といわれています。

 

なぜ更年期の肌は急速に衰えを感じるのでしょうか?

やはりエストロゲンの減少が大きな要因となります。

・肌のはりや弾力・潤いを保つ「コラーゲン・エラスチン」や「皮脂」の減少

・肌が生まれ変わる新陳代謝(ターンオーバー)の悪化

エストロゲンには女性らしい潤いのある”ぷるぷる美肌”を保つ働きがあり、エストロゲンの分泌が急激に減少する更年期は“肌の変化・老化”を感じやすくなるのです。

 

この老化を少しでも遅らせていくにはまずは「規則正しい生活習慣」が最も重要となります。

睡眠不足や過度な飲酒、偏食は見直しましょう。

美肌にとって喫煙なんてもってのほかです!

そして、今まで以上に“エイジングケア”を意識して行うことも重要です。

食事やスキンケア用品の見直し、サプリメント、エステ、ウォーキング、ヨガ・・・

 

そしてそして、実は鍼灸は美肌にも効果があるんです!!

最近は頻繁に芸能人がSNSに投稿したりしていますのでご存知の方も多いと思います。

今は“美容鍼”とか“美顔鍼”という呼び方が一般的ですが、多くの鍼灸師は「健美鍼灸」という考え方をしています。

 文字どおり「健康で美しい鍼灸」という意味です。

 

鍼の最大の特徴は表皮の下にある真皮層に刺激を入れ、極微小な傷をつけることで傷を修復しようとする機能を活用するということです。

傷を修復する働きで血流が改善し、真皮細胞のコラーゲンやエラスチンの生成を促進し肌のターンオーバーを改善させていきます。

 

そしてそれだけでなく、多くの鍼灸院では同時にお腹や背中、手足のツボにも鍼や灸をしていきます。

カラダ全体の「気・血・水」の巡りを良くした状態で顔にも刺激を入れていくのです。

美容鍼 美顔鍼

 

つまり、ただ顔に鍼をするだけでなく、カラダ全体から、カラダの内側から健康で美しくなることの結果として「美肌・美顔」になるという考え方です。

 

顔への鍼はすごく細くて短い鍼を使用しますので、見た目の怖さとは違いほとんど痛みは感じません。

 

当院でも「健美鍼灸」を行っていますので、是非受けてみてくださいね。

そしてカラダの内側から健康で美しくなっていきましょう♪♪

更年期はなぜ太りやすいの? 2つの理由

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。

 

今日は「更年期はなぜ太りやすいのか?」について。

更年期世代の女性で「この1年ですごく太った」、「ダイエットをしても痩せない」というお悩みがすごく多いと感じています。

時々患者さんから「更年期の時期は太りやすいのですか?」と聞かれることがありますが、答えは「はい、太りやすく痩せにくいです」とお答えしています。

芸能界でも若い頃はスリムだった女優さんや歌手が40代中頃くらいから急に太ってしまった方がいますよね。

 

なぜ太りやすいのでしょうか?

<更年期に太りやすい2つの理由>

 

1.エストロゲンの減少

女性ホルモンのエストロゲンには様々な働きがありますが、その働きのひとつに「コレステロールを低く保ち、内臓脂肪をつけにくくする」という働きがあります。

しかし、更年期に差し掛かりエストロゲンの分泌量が減少していくと、今まで皮下脂肪として蓄えられていた脂肪が内臓脂肪として蓄えられるようになってくるのです。

つまりエストロゲンの減少によりコレステロール値が高くなり、内臓脂肪がつきやすくなるというまさに“メタボ体質”になっていくのです。

2.筋肉量の減少・基礎代謝の低下

普段から運動の習慣があまりない方は、年齢を重ねていくと筋肉量が落ちていきます。そして筋肉量の減少と同様に基礎代謝も落ちていきます。(基礎代謝とは呼吸や体温調節などに消費するエネルギーのこと)

つまり消費するエネルギーが少なくなるため、今まで同じような食生活だと必然的にエネルギーの取り過ぎとなってしまうのです。

 

上記のとおり更年期に差し掛かってくると女性のカラダは太りやすい体質になってしまうのです。

これは“不摂生をしているから”とか“あまり体型のことを気にしなくなったから”とかいうことではなく、女性としての自然な変化なのです。

 

鍼灸がコレステロール値や内臓脂肪、基礎代謝に影響を与えるかどうかについては私は知識はありませんが、当院を受診された方で以下のケースがありました。

・コレステロール値が下がった(51歳女性)

・体重が5Kg減った(56歳女性)

おふたりとも特に運動を始めたとか、食生活を見直したなどといった特別なことはしていませんが、共通点は東洋医学で「水毒」や「痰湿」と呼ばれている「身体の水分の流れが悪い状態」にありました。

鍼灸治療によって水分の滞りを解消し“気・血・水”がスムースに流れる状態になっていったことから、体液循環が改善し、老廃物など不要な物質なども体外に排出できるようになり体質自体が良くなったと考えています。

 

鍼灸は思わぬ効果があったりしますので不思議です。