PMSの5つの原因

今日はPMS(月経前症候群)の原因についてです。

生理は28日前後の周期がひとつの目安で、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期に分かれ、2種類の女性ホルモンが分泌されます。月経後から排卵期に向けてはエストロゲンが分泌され、黄体期にはプロゲステロンの分泌量が一気に上昇します。

PMSの症状はこの黄体期にあらわれるため、プロゲステロンの分泌増加が原因であると考えられています。しかし、PMSの症状をほとんど感じない方も多いわけですからプロゲステロンだけが原因ではないということになります。

生理痛とは

最近ではPMSの原因はプロゲステロンだけでなく、血糖値や貧血も大きな関係があることがわかってきています。

当院ではPMSの原因を以下の5つと捉えています。

①女性ホルモンの分泌の変化の影響を受けやすい体質

黄体期におけるエストロゲンの分泌低下とプロゲステロンの急激な分泌増加によるホルモンの変化の影響を受けやすい体質であることです。

②貯蔵鉄(フェリチン値)の不足

一般的な貧血の検査では計測されない「貯蔵鉄(フェリチン値)」の数値が低い場合「潜在性鉄欠乏性貧血」と診断され「隠れ貧血」と呼ばれています。

「潜在性鉄欠乏性貧血」の症状がPMSやPMDDの症状に非常に似ており、PMSの症状がつよい女性の多くが「潜在性鉄欠乏性貧血」であるという報告があることから、「貯蔵鉄(フェリチン値)」の不足がPMSの原因のひとつと考えられるようになってきました。

③機能性低血糖症

黄体期ではプロゲステロンがインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを弱める傾向があるため、血糖値が上がると通常よりもインスリンが過剰に分泌されます。

その結果、血糖値が急激に下がる場合があり、いわゆる「低血糖」を起こします。そして血糖値が下がりすぎると、今度は血糖値を上げるために「グルカゴン」の他、「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」などのホルモンが分泌され交感神経が過剰に刺激されてしまい、特にイライラなどの精神症状を引き起こしやすくなるといわれています。

④セロトニンの低下

排卵後にエストロゲンの分泌量が低下するのに伴い、気分を安定させる働きのある神経伝達物質「セロトニン」の分泌が減ることで精神状態に影響がでると考えられいます。

⑤ストレス

このブログでも何度もお伝えしていますが、過度のストレスにより自律神経のバランスを乱し様々な不調を引き起こします。

本当に女性の身体は繊細でデリケートだと痛感します。

次回はPMSの治療についてお伝えします。

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