原因不明のめまいはPPPDかも?

 

こんにちは、ひかり堂の齋藤です。

12月も中旬になりましたが、まだまだ寒暖差が10℃以上ある日もあり体調管理が難しいですね。

当院では11月初旬からめまいを訴える患者さんがかなり増えました。

季節の変わり目特有の自律神経の乱れによるめまいの患者さんだけでなく、半年以上続く慢性的なめまいでお困りの患者さんも多くいらっしゃいます。

慢性めまいのひとつとして最近では

持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)という種類のめまいが病名として診断されています。

これは2017年に新しいめまいの概念として定義されました。

<PPPDの特徴>

・3ヶ月以上ふわふわした、不安定感を感じる非回転性めまいがほぼ毎日ある

・以前にメニエールなど強いめまいの経験がある

・特定の方向や頭位に限らず立ったり歩いたり、身体を動かした時にめまいの症状が強くでる

・電車などの乗り物やエレベーターに乗った時に症状が強くでる

・人込みでの人の往来や陳列棚、PC・スマホの画面の動きを見た時に症状が強くでる

・ストレスや不安感が強く、うつ症状や強い不安症を抱えている

明確な原因が不明または、検査の数値(聴力や平衡感覚等)がそれほど悪いものではなく、明らかな原因が説明できない場合にPPPDと診断されることが多いようです。

また、既存の抗めまい薬ではあまり効果がないことも特徴のひとつとされています。

<PPPDの治療>

  • 抗うつ薬(SSRI)

PPPDでは、不安感や気分の落ち込みがある方が多く、抗うつ薬や抗不安薬を処方される場合が多いです。SSRIという脳内のセロトニン濃度を高める効果の高い抗うつ薬が症状改善に繋がると考えられています。

  • リハビリ

歩行などめまいが起きやすい動作を行いめまい誘発させ、めまいに慣れて いくというリハビリを行っていきます。

  • 認知行動療法

PPPDではめまいに対する不安感や恐怖感が強く、めまいに過敏になっていることも大きな要因となっています。めまいに対する考え方や捉え方を変え、めまいに対する予期不安や恐怖心を軽減していきます。

<鍼灸治療の可能性>

鍼灸では以下の点に留意して治療を行っていきます。

  • 自律神経の調整
  • 内耳・首肩の血流改善
  • ストレスを軽減し精神的な安定を図る

ナチュマリーバランス®

鍼灸治療でPPPDが100%改善するとはいえません。

しかし、改善または症状を軽減していくことは十分に可能と考えています。

今 慢性的なめまいでお困りで病院の治療でなかなか改善しないのであれば鍼灸治療という選択もお考えになってはいかがでしょうか?

2021年12月14日 | カテゴリー : めまい | 投稿者 : hikarido

めまいに鍼灸治療が有効な理由

こんにちは、ひかり堂です。

9月以降めまい・吐き気を訴える患者さんが一気に増えました。

例年以上に多いと感じています。

あまり知られていないのが残念ですが、実はめまいに対して鍼灸治療はとても有効です

それはめまいの原因に対し的確にアプローチできるからなのです。

当院の鍼灸治療では主に以下の3点を行っていきます。

①内耳の血流を改善する

②首・肩の筋緊張を緩める

③自律神経のバランスを整える

ナチュマリーバランス®

耳の周辺にはいくつかのツボがあります。

そのツボに直接鍼をしていくことで内耳自体の血流を改善していきます。

また、首や肩へ鍼をしていくことで筋肉の緊張を緩め、脳へ繋がる動脈の流れを改善していきます。

これらはマッサージなどでも対応できるかもしれませんが、鍼は深層筋(深いところにある筋肉)に直接アプローチすることができるのです。

そして、めまい治療の重要なポイントである「自律神経の調整」は鍼灸が最も得意としています。

この時期に多い寒暖差や台風等による気圧の変動や過度なストレスによる自律神経の乱れがめまいの大きな要因になっています。

自律神経の調整には患者さんのからだの状態によりツボを選んでいきますが、主に背中やお腹、手足にあるツボに鍼や灸をしていきます。

手足などのツボに鍼や灸の刺激を入れることで“経絡”という通路を通り問題のある臓腑の働きを改善し、「気・血・水」を頭から末端まで全身に巡らせることであなたが本来持っている”治る力”(自然治癒力)が高まり、あなた自身の力で回復していきます。

つまり、鍼灸治療はめまいの原因である局所(内耳)と首・肩のこり、そして自律神経にアプローチができることで、高い改善効果をだせるということです。

めまいでお悩みの方は是非一度鍼灸治療を受けてみてください。

あなたの悩みを解決してくれるのは、意外にも近くの○○鍼灸院かもしれませんよ。

あなたのめまいは”椎骨脳底動脈循環不全症”???

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日はめまいについて。

今月はめまいを訴える患者さんが多く来院されています。

○グルグル回る回転性めまい

○フワフワする浮動性めまい

○グラグラ揺れる動揺性めまい

○クラッとする立ちくらみ

など様々なタイプがあります。

そして、めまいが起こった時の原因もひとつではありません。

当院ではめまいの原因は以下のように考えています。

1.平衡感覚を司る内耳(三半器官)の異常

2.脳の病気

3.自律神経の乱れ

4.頚椎(首の骨)のゆがみ等による血流悪化

めまいを訴える患者さんには、耳鼻科、脳神経外科や神経内科で平衡機能検査やMRI検査などを受けたかどうかをお聞きします。

しかし、耳鼻科や脳神経外科などでしっかり検査を受けて異常がないのに頻繁にめまいがおこってくる患者さんはとても多いです。

そして、最近多いのは“頚椎”(首の骨)のゆがみや変形が原因の

「頚椎症性椎骨脳底動脈循環不全症」

というめまいです。

これは首から脳につながっている動脈が頚椎のゆがみなどで圧迫され血液循環が一時的に悪くなり、脳幹部が虚血状態となることでめまいを引き起こします。

最近は長時間のスマホやパソコン使用によるマホ首」・「ストレートネック」といわれるタイプの方が急増しており、めまいへの影響は大きくなっていると感じています。

このような患者さんに対しては当院では

・骨盤・背骨・頚椎を整える整体

・首肩のこりを和らげ、血流を改善する鍼灸治療

ナチュマリーバランス®

・自律神経を整える鍼灸治療

を行っていきます。

整体施術で身体のゆがみを整えることで血流や脳脊髄液など体液循環を改善し、鍼灸治療ではストレスなどで悪くなっている「気・血・水」の流れを良くして自律神経を整えていきます。

内耳の機能に大きな問題がない場合のめまいはほとんどの方が短期間で良くなっていきます。

病院で検査を受けて内耳や脳に問題のない場合は、当院の整体&鍼灸治療を選択肢に入れてくださいね。

めまいの時はこのツボを押してみてください。

<翳風(えいふう)>

場所 耳たぶのすぐ後ろにあるくぼんだところ。

このツボはめまいや耳鳴りの原因のひとつである内耳の機能を高める働きがあります。

人差し指や中指で少し痛みを感じる程度の強さで10回くらい押してみてください。

また、雨などの低気圧の影響でおこるめまいに対しては「耳たぶ」のマッサージが有効です。

耳たぶを軽くつまんでグルグルと10回くらい回してみて下さい。

セルフケアで症状が改善するめまいもありますので、一度試してみて下さい。

2018年11月19日 | カテゴリー : めまい | 投稿者 : hikarido

女性に多い”春のふわふわめまい”

「あなたらしい生き生きした毎日」を共に目指す治療院 ひかり堂院長の齋藤です。

今日は「女性に多い春のふわふわめまい」についてお伝えします。

先週から「ふわふわしためまい」を訴える女性患者さんが急激に増えました。

毎年ですが、春は「ふわふわしためまい」が最もおこりやすい季節だと実感しています。

なぜ春はふわふわめまいがおこりやすいのでしょうか?

以前のブログでも同様のことを書きましたが、春のふわふわめまいの最大の原因は「自律神経の乱れ」です。

3月~4月にかけては

・気候の変化が激しい(気圧の変動)

・寒暖差が大きい

・卒業・入学・就職・転勤等生活環境が変わる

⇒ からだにも精神的にもストレスがかかり、交感神経と副交感神経の切り替えが追い付かず自律神経が乱れやすくなり、めまいなど様々な不調が起こってくるのです。

自律神経が乱れると

☆目や内耳などの平衡感覚器が正常でも、平衡感覚を司る前庭神経の働きが鈍くなる

☆血管の収縮・拡張のバランスが乱れ血流が悪くなり、耳や脳の血流も停滞する

☆ホルモンバランスも乱れやすくなり、血圧調整機能が低下し、一時的な脳の虚血がおこる

これらの要因が重なり、「ふわふわしためまい」がおこってくるのです。

また、「ふわふわめまい」だけでなく、普段あまり感じない「頭痛」や「肩こり」、「動悸」なども春はおこりやすくなります。

そして、自律神経の乱れによる「ふわふわめまい」は鍼灸治療の得意分野です。

慢性的ではなく、春先に起こったばかりの「ふわふわめまい」なら、大半の方は2~3回の鍼灸治療でめまいは消失していきます。

先日来院された患者さんも「1週間程前からふわふわしためまいが頻繁に起こる」とことでしたが、この方の場合は1回の施術でめまいは消失し、その後もおこっていないと連絡を頂きました。

春のふわふわめまいでお悩みなら是非鍼灸治療を受けてくださいね。

2018年3月17日 | カテゴリー : めまい | 投稿者 : hikarido

めまいの西洋医学的治療

今日は寒いですね。

松阪も雪がちらついています。

どうぞ風邪などひかないよう暖かくしてお過ごしくださいませ。

今日はめまいの西洋医学的治療について。

脳梗塞など脳疾患以外の原因によるめまいは基本的に服薬による治療が中心となっています。

ただし、吐き気や嘔吐などが強く服薬治療が難しい場合は注射や点滴などの治療が施されます。

<服薬治療に使われる主な薬>

・抗めまい薬・循環改善薬

内耳や脳の血流を改善し、三半規管の働きを良くし、身体のバランスを保ちやすくします。

主に回転性のめまいが強い場合に使われます。

・抗不安薬

めまいは予期不安が強くでる症状のひとつです。

めまいに対する不安を軽減していきます。

・浸透圧利尿薬

「内リンパ」という内耳を満たす液が過剰に溜まるのを抑え、内耳のむくみを改善していきます。

主にメニエール病で使われます。

・ステロイド薬

神経の炎症を鎮めます。

神経の炎症や難聴がおこっている場合に使われます。

・ビタミンB12

神経の障害の修復を助けます。

・自律神経調整薬

自律神経のバランスを整えていきます。

自律神経のバランスの乱れが大きな原因と考えられるめまいの場合に使われます。

また、服薬以外の治療としては

・メニエール病 → 外科的手術

・良性発作性頭位めまい症→頭位運動(頭を位置を変え耳石を動かす)

・三半規管の機能低下 → 平衡訓練

などがあります。

めまいはストレスや自律神経の乱れ、疲労など様々な要因が重なって発症するケースが多いため、服薬だけでは早期に改善しない場合が多く見受けられます。

次回はめまいに対する鍼灸治療についてお伝えします。

脳などが原因のめまい

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

本日よりブログを再開させて頂きます。

今日はめまいの原因別病名のパート2です。

☆脳が原因によるめまいの主な病名

①脳梗塞・脳出血

脳梗塞や脳出血がおこると小脳や脳幹に十分な血液が運ばれず、機能障害となり回転性のめまいが起こります。

生命に関わる深刻な事態を招くことが多くあります。

②聴神経腫瘍

からだの平衡感覚を司る前庭神経に腫瘍ができることでめまいが起こります。

主に浮動性のめまいや平衡障害が起こり、難聴や耳鳴り、頭痛などが生じます。

③椎骨脳底動脈循環不全症

首から脳へとつながる椎骨動脈と脳底動脈の血流が悪くなることで脳に十分な血液が運ばれないことが原因で起こります。

回転性のめまいが多く、視界が悪くなったり、吐き気、腕などのしびれを感じることが多くあります。

難聴な耳鳴りはほとんどないといわれています。

☆その他の原因によるめまいの病名

①起立性低血圧症

横になっていたり、座った姿勢から急に身体を起こした時(立ち上がった時)に血圧が下がることで起こります。

②心因性めまい

ストレスや不安、心配事などにより自律神経が乱れることが原因で起こります。

めまいの他、肩こりや不眠、手足のふるえ、動悸など様々な症状が現れることが特徴です。

③頚性めまい

首を動かした時(回したり、反らしたり、伸ばしたりした時)に起こります。

主に頚椎や首まわりの筋肉、靭帯の異常などで、脳への血流が悪くなることが原因です。

めまいの他、腕や手のしびれ、肩こり、首こりなど様々な症状が起こってきます。

④脳脊髄液減少症

脳と脊髄の間の「くも膜下腔」という空間を満たしている脳脊髄液という液体が頭部への強い刺激などによって減少する(漏れ出す)ことにより起こります。

めまいの他、頭痛、耳鳴り、吐き気、耳鳴り、視力低下、倦怠感など様々な症状が起こってきます。

特に頭痛は「起立性頭痛」という起き上がると頭痛が増強する特徴的な頭痛が起こります。

その他にも高血圧や低血糖症、不整脈やいわゆる自律神経失調症などでもめまいの症状がおこります。

めまいというひとつの症状でも原因がいくつもあり、診断名もたくさんあるのです。

次回はめまいの治療についてお伝え致します。

内耳が原因のめまい

今日でクリスマスも終わり、いよいよ今年も残り1週間となりました。

残り1週間も健康でお過ごしくださいね。

今日は内耳が原因のめまいの病名(診断名)についてお伝えします。

耳が原因によるめまいの代表的な病名は以下の3つです。

①良性発作性頭位めまい症

内耳の前庭という場所にある耳石がはがれ、平衡感覚を保つ三半器官に入り込むことが原因でおこる。

頭を動かしたり、特定の位置にすると回転性めまいがおこりますが、数秒から数十秒でめまいは消失します。

めまいの中で最も多い病気で、約30%~50%を占めるといわれています、。

②メニエール病

内耳を満たしている液体の「内リンパ」が増えすぎた状態になること(内リンパ水腫)が原因でおこる。

激しい回転性めまいと吐き気や耳鳴り、難聴などの症状を伴います。

めまいは数時間から数日続くこともあり、悪化すると重度の難聴や耳鳴りになることがあります。

③前庭神経炎

内耳にある、からだの平衡感覚の情報を脳へ伝える働きをする前庭神経が炎症を起こすことが原因でおこる。

風邪をひいた後に発症することが多いため、ウィルス感染や血液の循環が悪くなってしまうことが原因で炎症がおこってしまうのではないか考えられています。

吐き気をともなう激しい回転性のめまいが数日続きますが難聴は耳鳴りはありません。

発症から1週間程度は歩行も困難になることが多いといわれています。

良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎は抗めまい薬の服用や理学療法、平衡訓練で比較的早い時期に回復していくケースが多いです。

一方メニエール病は過度なストレスにより発症・悪化することが多く、完治までにはある程度時間がかかるといわれています。(半年~数年)

やはり、過度なストレスは万病の元なのですね・・・