こんにちは、“心とからだのトータルケア” ひかり堂院長の齋藤です。
今日から6月ですね。
もうすぐ梅雨の時期に入りますが、梅雨時は体調を崩しやすい時期でもあります。
いつも以上に体調管理に気をつけてくださいね。
さて、今日は患者さんからよく聞かれる鍼灸の素朴な疑問についてお伝えします。
今日のテーマは「鍼は痛いですか?」について。
当院に初めてご来院頂く患者さんには必ず「今までに鍼治療を受けたことはありますか?」とお聞きしています。
すると実に8割の方は「一度も鍼治療を受けたことがありません。」とお答えになります。
一度も受けたことのない鍼治療をわざわざ受けに来て頂いた勇気と覚悟にいつも敬意と感謝の念を抱いております。
そしてほとんどの方に「鍼は痛いですか?」と聞かれます。
それは不安ですよね、鍼ですからね。
どう考えても痛いイメージが湧いてきますよね。
でも「鍼は痛いですか?」と聞かれれば「痛くありませんよ」とお答えしています。
はい、痛くありません。
痛くない理由があるんです。
<鍼が痛くない理由>
1.鍼は細いのです
多くの鍼灸院で使用する鍼は0.12mm~0.20mmという髪の毛程度の太さです。
ピンとこないかもしれませんが、例えば注射針はおよそ0.6mm~1.2mmの太さがあるそうです。
注射と比べるのはどうかとも思いますが、注射針よりもはるかに細いので、その分刺激は少なくなります。
2.鍼の先が丸くなっています
鍼の先は基本的に少し丸く加工されており、皮膚を切って中に入って行く時にスムーズに入り、鋭い痛みを感じにくいような構造になっています。
3.鍼先が瞬間的に皮膚を通過するため細胞の破壊がほとんどありません。
ほとんどの鍼灸師は“鍼管”という筒状の管を使って鍼を打ちます。
鍼管に入っている鍼の頭の部分を指で“トントン”と叩いて鍼を打つことで鍼先が一瞬で皮膚を通過します。専門用語で“切皮”(せっぴ)といいますが、これが瞬間的に行われると細胞がほとんど壊れないので痛みを感じないのです。
あくまでイメージですが、注射針は皮膚を切って中に入っていくのに対し、鍼は皮膚をかき分けて入っていくような感じなのです。
ただ、ひとつだけ痛い場合があります。
人間には“痛点”という感覚器があり、そこに痛みを感じる痛覚受容器があります。一説には全身に200万~400万個あるといわれています。
その痛点に一定以上の刺激が加わると痛覚受容器が反応して情報を脳に送り、痛みとして感じます。
鍼は痛点に当たる確率が低く、そして当ったとしても刺激が非常に少ないため痛みとして
感じないことがほとんどなのですが、まれにまともに痛点に当たる場合があります。
その時だけは鋭い痛みを感じます。
そして、その時だけは“ごめんなさい”といってすぐに抜きます。
以上にようにまれに鋭い痛みを感じることはありますが、基本的に“鍼は痛くありません”ので、どうぞ安心して受診してくださいませ。