抗うつ薬と抗不安薬の違い

松阪市の「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院・整体院

“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

今日は抗うつ薬と抗不安薬の違いについて。

問診の際に患者さんから「安定剤を飲んでいます」といわれることが多いのですがそれは「抗うつ薬」なのか「抗不安薬」なのかをお聞きすると「えっ・・・?」という感じでよく理解されていない患者さんが意外と多いです。

抗うつ薬と抗不安薬は全く違う薬なのです。

<抗うつ薬>

現在では「SSRI」、「SNRI」という薬が主流となっています。

「SSRI」は脳内のセロトニンの再取り込みを、そして「SNRI」は脳内のセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで間接的にセロトニンやノルアドレナリンの濃度を高める働きをします。

即効性はなく、効果を感じるまでに2週間以上かかる場合がほとんどです。

最近では「ミルタザピン」という新しい薬が処方されるようになってきました。

これはセロトニンやノルアドレナリンの放出量に直接的に関与する働きがあります。

また、効果の発現までの期間が1週間程度と短いことも大きな特徴です。

<抗不安薬>

現在はベンゾジアゼピン系といわれる薬がほとんどで、主に不安を和らげ、筋肉の緊張をほぐし、焦燥感を緩和する効果があります。

具体的には脳内の「GABA神経」を活性化することで不安感に関与している脳のアドレナリン神経やセロトニン神経の過剰な働きを抑える働きをします。

即効性があり、15分~30分程度で効いてくるものが多いですが依存性が強いといわれており、長期間の服用は注意が必要です。

うつ病は抑うつ気分だけでなく、不安感やあせりなどの感情も重なっておこっているため「抗うつ薬」と「抗不安薬」の2種類が処方されることが大半となっています。

人間には本来不安感や恐怖感を和らげる力、気持ちの浮き沈みをコントロールする力が備わっています。

今抑うつ感や不安感などで苦しんでおられる方々も必ず良くなっていくと信じています。

この良くなっていく過程において、どのタイミングで減薬や断薬をしていくのかについては専門医とよく相談しながらやって頂きたいと思いますが、減薬や断薬の際には是非鍼灸治療を選択肢にいれて頂きたいと願っています。

うつ病に”鍼灸”という選択

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日はうつ病と鍼灸治療についてお伝えします。

現在のうつ病治療は当然ながら薬物治療が中心となっています。

そしてその薬はこのブログでもお伝えしてきたとおり「セロトニン」や「ノルアドレナリン」の脳内の濃度を高める作用の強い薬を処方することが一般的となっています。

「SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)」

「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」

しかし、ほとんどの精神科のドクターは薬物だけの治療では限界があると考えておられ、薬物治療に他の治療をプラスした統合医療の重要性を訴えられています。

例えばカウンセリングなどの心理療法や認知行動療法、運動療法、音楽療法やヨガ、瞑想など様々な角度からアプローチすることで、うつ病からの早期回復と社会復帰、そして再発率の低下を実現しています。

そんな中鍼灸治療も大きな役割を果たしつつあり、海外では一定の評価と認知をされてきています。

(鍼灸ニュースより引用)

http://healing-studio.com/utusinnkyuuamerika.html

鍼灸治療によるうつ病の改善事例はたくさんあり、個人的には減薬や断薬をしていく過程においては鍼灸は非常に有効な治療のひとつであると確信しています。

うつ病を発症すると精神的にも肉体的にもつらく、何よりも日常生活に大きな支障がでてしまいます。

うつ病に対して、「薬物療法と鍼灸治療の組み合わせ」が広く浸透し、ごく一般的に選択されるようになってほしいと願っています。

薬物に依存することなく、自分自身の力で不調から回復していくことこそが本来の姿であり、鍼灸はその一翼を担うことができると考えています。

そのために鍼灸師のひとりとしてこれからも勉強と努力を怠らないよう頑張っていきたいと思っています。

女性にうつ病が多い3つ理由

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日は女性にうつ病が多い理由についてお伝えします。

うつ病の患者さんは男性よりも女性の方が多く、男性の約2倍といわれています。

思春期うつ、産後うつ、更年期うつ、介護うつ・・・・

女性特有のうつ病はそのライフステージによって色々な呼び方をされたりします。

なぜ男性よりも女性の方がうつ病になりやすいのでしょうか?

大きくは3つの理由があります。

1.セロトニンの分泌量が少ない

うつ病に大きな影響があると考えられている脳内のセロトニンの分泌量が男性の約50%程度であることがわかってきています。

これは感情をコントロールする力やストレスに対応する力、ストレスをやり過ごす力が男性よりも弱いということかもしれません。

2.ホルモンバランスの変化

女性は生理周期やいわゆる“更年期”の時期の身体の変化による女性ホルモンの分泌の変化の影響を強く受けます。

1ヶ月の中でも生理周期により、精神的な波があります。例えば生理後の卵胞期や排卵期はエストロゲンの分泌が活発で、心もからだもいきいきとして過ごせます。しかし黄体期におけるエストロゲンの分泌が低下しプロゲステロンの分泌が増加することによって、心もからだも不調になりやすくなるのです。

更年期の時期も同様にエストロゲンの分泌低下によるホルモンバランスの乱れから自律神経が乱れやすくなり、心にもからだにも不調がおこりやすい状態となります。

また更年期の時期には、子供の進学や巣立ち、仕事の事や職場の人間関係、夫婦関係、親の介護、将来への不安など様々な問題や悩みがいくつも重なってしまいやすい時期でもあります。

エストロゲンの減少という身体的な変化と社会的な環境の変化が重なり、うつ病を発症しやすい条件が揃ってしまうのです。

3.感情的に繊細でストレスを感じやすい

女性と男性では脳の構造が違うといわれています。

具体的には脳は右脳と左脳に分かれ、その2つをつなぐ橋のような「脳梁(のうりょう)」という部分があります。女性はこの脳梁が「大きく・短く・丸い」のだそうです。また同じく左右の脳をつなぐ「前交連(ぜんこうれん)」という部分も男性よりも太いといわれています。このことで右脳と左脳の結びつきが強く、女性の方が右脳と左脳の間に速く大量の情報を移動させることができるのです。

女性は同時に複数の作業をする能力やコミニュニケーション能力が男性よりも高いといわれているのは、この脳の構造的な違いがあるからなのです。

大量の情報や記憶などが瞬時に行ききすることは、感情や記憶などの情報も含まれているためストレスも感じやすく、感情に及ぼす影響が強くでるのです。

このように脳の構造や機能、女性ホルモンバランスの影響により、女性は男性よりもうつ病を発症する確率が高くなると考えられています。

女性の心とからだは本当にデリケートで繊細にできていると痛感します。

5つのタイプの”うつ病”

こんにちは、「自律神経」と「女性ホルモン」のバランスを整える鍼灸院

“心とからだのトータルケア”ひかり堂院長の齋藤です。

今日から7月。もう半年が過ぎてしまいましたね。

明日からしばらくは暑い日が続く予報です。

からだが慣れるまで大変ですが頑張りましょう。

今日はうつ病の種類についてお伝えします。(発症のメカニズムについてお伝えする予定でしたが、また次回以降とさせて頂きます)

うつ病は大きくは「気分障害」のひとつですが、その症状による分類の考え方はいくつかあります。

ここでは大きく5つのタイプとして分類してみました。

1.単極性うつ病(大うつ病性障害)

一般的にイメージされる“うつ病”です。気分の落ち込み、意欲の低下、興味や喜びの喪失などの症状が続きます。そして再発する確率も高いといわれているタイプです。

2.双極性うつ病(双極性障害)

“躁”と“うつ”の状態が繰り返しあらわれます。躁の時は気分が明るく、意欲が高まりいわゆる“ハイテンション”な状態になります。しかし、うつ状態になると全く別人のようになってしまうタイプです。

3.仮面うつ病

気分の落ち込みや意欲の低下、興味や喜びの喪失など“心”の症状はあまり目立たず、不眠や倦怠感、動悸、息苦しさなど“身体”の症状が目立つため身体の病気という仮面をかぶったうつ病という意味で「仮面うつ病」と呼ばれています。心の症状が目立たないのでうつ病とわかりにくいことが特徴となります。

4.季節性うつ病

大半が秋~冬にかけてうつ病の症状があらわれることが特徴です。他のうつ病と違い、その季節が終わると症状はよくなります。これは日照時間が大きく影響していると考えられています。

5.非定型うつ病(新型うつ病)

症状や特徴が従来のうつ病と大きく異なるタイプで近年非常に増加しているうつ病です。

仕事や学校などの日は憂うつで落ち込みや沈んでいるのに、休日や趣味などの時は元気で全くうつ症状がでないことが大きな特徴です。

つまり好きなことなら元気で前向きに取り組めるが、そうでないことは憂うつで落ち込むという一見“気まぐれで甘えている”ように思われるような症状のあらわれ方をします。

また、なにかと他人のせいにしたり、責任感に乏しく逃避的なことも特徴といわれています。

このような傾向から「お天気屋うつ病」や「5時からうつ病」と呼ばれたりします。

うつ病というひとつの病気でもいくつかの種類があり、やはり非常にデリケートで難しい病気だと痛感します。

うつ病の4つの原因

こんにちは、ひかり堂院長の齋藤です。

今日はうつ病の原因について。

なぜうつ病になるのかというはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、これといったひとつの原因だけでなく、ストレスなど様々な要因が重なり合って発症すると考えられています。

そして、うつ病の原因は大きく4つの要因があると考えられています。

1.精神的・環境的ストレス

ストレスはうつ病の発症の大きな要因となります。

・家族など親しい人との別れ

・失業や退職、異動・昇進・介護など激務や過労による心身の過度なストレス

・結婚・妊娠・出産・引越しなど環境の変化

・家庭や職場などの人間関係

・気圧や気温の急激な変動

2.性格・思考

真面目で熱心、責任感や正義感が強く、自分を抑えてでも他者と協調していくような性格で一般的に「いい人」、「信頼できる人」。反面自分を犠牲にしすぎたり、融通が効かず環境の変化に弱い面があるタイプ →(メランコリー親和型性格)

また逆に自己愛が強く、他罰的で責任感に乏しく逃避的、反面他人から良くみられたいという気持ちが強いタイプ → (ディスチミア親和型性格)

3.遺伝的要因

うつ病は遺伝的影響があると考えられており、片親がうつ病であった場合に子供が発症する確率は健常者の2~3倍といわれています。しかし、その影響は大きいものではなく、“ある程度”、“少しは・・・”といった程度のものです。

4.身体的疾患による要因

ケガや病気がきっかけとなりうつ病を発症するケースです。

頭部への外傷・脳梗塞・くも膜下出血など

個人的にはやはりストレスが発症の大きな要因や引き金になることが多いと感じていますが、うつ病は様々な要因が複雑に重なり合っているのですね。

次回はうつ病のメカニズムについてお伝えします。